あらすじ
桂木美乃は、京都の老舗和菓子屋『松吉』で京菓子職人の修業をしていた。ある夜、主人の松ヶ崎に連れて行かれた一軒家。座敷では都中の旦那衆が待ちかねていた。「男を知らん女なんぞ、一流にはなれしまへん」。男たちの目に曝され羞恥で硬直する身体に、松ヶ崎の繊細な指が纏わりつく……。『女の庭』で京女の性を描ききり話題となった著者、幻のデビュー作! 第一回団鬼六賞大賞受賞。
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Posted by ブクログ
和菓子教室を開く美乃は、生徒の由芽が結婚することに嫉妬し、由芽を連れてかつて自分を「仕込んだ」師を訪ねる。
京都の町家の一室で政治、経済、宗教など各界の重鎮たちが女を犯していく。夜な夜な開かれる怪しい会合が京都という舞台に合っている。
「おもろいわ、やっぱりこの京都っちゅう街は、おもろいわ――ばけもんみたいな人間がぎょうさんおって、昔も今もそういう妖怪じみた連中が、この街を、いや、この国を動かしとるんや」(p.215)
「どうせ人間は皆、死ねば地獄に行くんや。極楽など、あるわけがないやろ。いつか地獄に落ちるんなら、生きているうちに鬼になって、己の中の炎を滾らせてすべてを焼き尽くせばええやないか」(p.216)
匂いと院尿に興奮を覚える僧侶の秀建のキャラクターが際立っていて、その秀建の半生を描いた「花散らし」も併録。
Posted by ブクログ
一気に読みました。文章は読みやすくてイイのですが、読み終わったらお腹いっぱいな感じです。団鬼六賞受賞作品と言う事で手に取りましたが、違う作品も読んでみたい。由芽のその後が気になります。
Posted by ブクログ
官能小説初めて読みます。
美乃の裸体を観察するおじ様たちの合いの手に笑ってしまう。書かれるのが乱交SMとか排泄物等の特殊性癖なのでいまいち入り込めなかったかも。
でも妙な説得力があって冷静に考えると突飛なシチュエーションなのにするりと読まされてしまう。最初の生娘から一気に落とされる精神的な描写が丁寧で艶感がすごくあった。しっとりねっとり。
Posted by ブクログ
この作品が第一回団鬼六賞受賞なんですね、興味津々で読みはじめる。団鬼六っぽい、過激さや過剰さは花房観音の官能小説には不要、その辺りを書かせたらもっと上手な作家さんはいるのだから、