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数学はもっと人間のためにあることはできないのか。最先端の数学に、身体の、心の居場所はあるのか――。身体能力を拡張するものとして出発し、記号と計算の発達とともに抽象化の極北へ向かってきたその歴史を清新な目で見直す著者は、アラン・チューリングと岡潔という二人の巨人へと辿り着く。数学の営みの新たな風景を切りひらく俊英、その煌めくような思考の軌跡。小林秀雄賞受賞作。(解説・鈴木健)
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Posted by ブクログ
面白かった。数学を専門としていない人間にとっても、数学の紡ぎ出す世界に触れてみたい、と感じさせるような文章。 身体性からみた数学史の解説それ自体も面白いのだが、やはりなんといっても数学者・岡潔の数学と一体化することにより見えてくる世界の表現がとても美しく感じた。なにより、文章が綺麗で読んでいて気持ち...続きを読むがいい。 4章より引用: > 生きることは実際、それだけで果てしない神秘である。何のためにあるのか、どこに向かっているのかわからない宇宙の片隅で、私たちは束の間の生を謳歌し、はかなく亡びる。虚無と呼ぶにはあまりにも豊穣な世界。無意味と割り切るには、あまりに強烈な生の欲動。その圧倒的に不思議な世界が、残酷なまでに淡々と、私たちを包み込んで、動き続ける。 > 不思議で不思議で仕方ない。この痛切な思いこそが、残酷なまでに淡々と、私たちを包み込んで、動き続ける。 言い古された内容ではあるけど、学問に向き合う人間として心に刻んでおきたい一節。
アラン・チューニングと岡潔の数学、心、身体、自然とのつながりなど。 いずれも、映画化やドラマ化された人物だ。 アラン・チューニングについては、映画「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」(2014年) 岡潔については、ドラマ「天才を育てた女房~世界が認めた数学者と妻の愛~」(201...続きを読む8年) 映画やドラマは、脚本家や監督によって見せ方のアプローチが違うだろうから、映画やドラマがすべてではないだろう。 この本は、特に岡潔さんの魅力が伝わってくる。 小川の流れについては、ドラマでも描かれていて、私はそのシーンに衝撃を受けたけど、この本を読むと、そのシーンは実際何を伝えたかったのか、今ようやくわかった。 この本は、自分の心が動かされる。 詳しくここでは書かないけど、感動が伝わる。
数の歴史から数学史の話を通して、「数学する」とは何か、「数学する身体」とは何かについて語り、ヒルベルトやチューリングにたどり着く。そして数学を数学する者としての岡潔の解説を行うと同時に文学的な物語を語っている。 数学に関する本ではあるものの数学の本ではない。何の本かと聞かれるとこれという表現が見つか...続きを読むらない。 改めて数学というものを考えるきっかけになる本
#ヨンデルホン #数学する身体 / #森田真生 #新潮社 #ドクリョウ #ヨミオワリ もっと集中して読むべきであったか。まぁ、本は逃げない。次は、じっくり。俄然、岡潔を読んでみたくなった。
著者の数学に〈情緒〉動かされてる体験がひしひしと伝わってくる。学問の探究へと道を進む稀有な人たちって何かしらこういう信念と、出会いがあるんだろうなと胸踊る内容です(本書の本筋ではないので、悪しからず)。 チューリングと岡潔を軸に、数学と身体というテーマを深ぼっていく構成。恥ずかしながら岡潔の存在を...続きを読む知らず、こんなに観念的な数学との付き合い方があるんだと目から鱗状態になりました。 チューリングの数学を道具として利用して人間と心と数学の境界を暴きにいくアプローチ対して、岡潔は心の奥深くは分け入る行為そのものこそが数学であるという立場をとる。どちらも魅力的で勝つ痺れる対比で捉える筆者の洞察力に傑物感が窺い知れます。同世代ということで、すごい人っているんだなーと単純に感動しちゃう。 丁寧に論を進める筆致と、そのテーマの深淵さかつ引き込まれるその面白さを十二分に堪能できます。数学に興味があってもなくても、必読となっておりますよ。
興味を惹かれる内容がとても多い 数学の表面的な難しさを取っ払って、数学という行為の面白さや美しさそのものの中に飛び込ませてもらえる本
読むほど、「数学」と捉えていた事柄の輪郭が解けて、液体のようになり、体の中に取り入れられる読書体験。
これを10代で読んでいたら数学に対して興味や愛情を持てた可能性すらあるな…と、数学が大の苦手だった私でさえ思うほど、数学の新しい捉え方を教えて貰った。面白かった。
身体性と数学を結びつける発想が面白い。心について理解するモチベーションとか。難しい数式とか出てこないので、単純に読み物として楽しめる。
自分にとって物凄く遠いところにあった数学だが、哲学的に数学を紐解いていく本書のおかげで少しは数学を好きになれた気がする。
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