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日常生活の必需品であり、知性や芸術の源である言語。なぜヒトはことばを持つのか? 子どもはいかにしてことばを覚えるのか? 巨大システムの言語の起源とは?ヒトとAIや動物の違いは? 言語の本質を問うことは、人間とは何かを考えることである。鍵は、オノマトペと、アブダクション(仮説形成)推論という人間特有の学ぶ力だ。認知科学者と言語学者が力を合わせ、言語の誕生と進化の謎を紐解き、ヒトの根源に迫る。
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Posted by ブクログ
オノマトペから言語の本質を論ずるという意外性に惹かれた。ヒトがどのようにオノマトペから抽象的な言語体系を発展させるのかが詳しく書かれていて言語学をもっと学びたいと思った。特に、対称性推論、アブダクション推論など非論理的な推論がヒトと動物の言語の有無を区別するという説がとても面白かった。
オノマトペと発育 オノマトペは国によって違う? 人間特有? 動物と人間は思考、推論の仕方が違う? オノマトペ、音象徴を中心とした言語学に心理学やちょっとした論理学取り入れている。 多角的で面白い。 読み応えもある。
本書に言及があったので、ゆる言語学ラジオの「赤ちゃんミステイクアワード」回を見てみた。 著者も出演されていて、言語学的にも興味深いし、エンタメとしても面白かった。 基本、視聴者投稿の子どもエピソードなのでほほ笑ましいが止まらない。 ちょっと堅苦しい本ではあるけど、 「ポケモンは進化すると名前に濁音...続きを読むが増える傾向」とか いろんな引き出しから論が進められるのでおもしろい。 「言語学的視点からのファイナルファンタジーとドラクエの魔法やモンスターの命名傾向分析」みたいな論文も大学生が書いてそう。 流行った本だけあって後半の記号接地問題とアブダクション推論の話はグッと引き込まれた。 学問のおもしろさ思い出させてくれる。 先に世界の現実があってその流れで言語が成り立っていった、みたいな話がなんか好き。 (1)音 「たたく」「ふく」「すう」という動詞。 「タッタッ」「フー」「スー」という擬音をもとに作られた語で、末尾の「く」は古語では動詞化するための接辞。同様に、なんと「はたらく」も「ハタハタ」というオノマトペを語源に持つとされる。 (2)声 ・「カラス」「鶯」「ホトトギス」は鳴き声を写す擬音語「カラ」「ウグヒ」「ホトトギ」に鳥であることを示す接辞「ス」がついてできた。 ・「ネコ」という名詞にも、昔は鳴き声を「ネーネー」と写し、それに「コ」という接辞がついたのが由来という説がある。 (3)発話しやすさ 主食を表す単語が「パ」や「マ」で始まることが多いのは(中略)赤ちゃんことばがもとになっている可能性があり、<食事>を表す赤ちゃんことばは、日本語の「まんまmama」、トルコ語の「ママ mama」、スペイン語の「パパpapa」のように、必ずと言っていいほどmaやpaで始まる。食事を求めることが赤ちゃんにとって死活問題であり、かつこれらの音が赤ちゃんにとって発音しやすいため (4)口内空間の大きさがイメージの大きさに対応 ・「あ」が大きいイメージ 英語の「ラーヂlarge」、フランス語の「グラン grand」、ハンガリー語の「ナーヂ nagy」 ・「い」が小さいイメージ 英語の「ティーニー teeny」、フランス語の「プティpetit」、ハンガリ語の「キツィkicsi」
我々人間がなぜ言語という高度なシステムを操っているのかをオノマトペから読み解く名著。人間にできて、AIにできないことを読み解くヒントになりました。
オノマトペを基点として、アイコンによる補助理解がシンボルグラウンディング問題のもつ身体性に紐付き、人間の知識拡張:ブートストラッピング・サイクルは推論様式のアブダクション推論によると結ぶ。これを人間の言語の本質として落としこんだ名著。記号接地せずに記号間を漂うだけのAIが成立するディープラーニングの...続きを読む可能性も感じた。読んでよかった。
めちゃくちゃ読みやすい。専門用語もまあまあ出てくるが、巧みな例えを使いながら意味を分かりやすく説明してくれるので、最後まで詰まらずに読めた。 前半は、オノマトペと普通の言語、それ以外の事象とを比較しながら、オノマトペの持つ性質や、子供の言語習得にもたらす影響について迫っていく。 後半は、アブダクショ...続きを読むン推論にテーマをおいて、子供の言語習得を促す足掛かりを考えていった。 基礎知識や既存の研究を提示し、新たな問いを立てていく流れがスムーズで、言語学に触れたことがなくても面白かった。
2024年の新書大賞作でもある本書は、慶應義塾大学環境情報学部教授と名古屋大学大学院人文学研究科准教授による共著であり、言語はどのように進化してきたのか、人間はいかように言語を理解するのか、について書かれています。 共著といっても、章ごとに別分担で書かれたのではなく、全章共同執筆されているのもおも...続きを読むしろいです。 テーマを解き明かす鍵は、帯に書かれているとおりですが「オノマトペ」と「アブダクション推論」。 鈴木孝夫『ことばと文化』においても「ことばによることばの「定義」は、教える人の経験と、教わる人の経験の差、および「定義」をする目的などの条件で千差万別の形をとり得」、やもすると循環論法になりかねないと述べられていましたが、これと同様の内容を指すのが記号接地問題。言語という記号体系が意味を持つためには、基本的な一群のことばの意味はどこかで感覚と接地していなければならないとされています。 この基本的な一群のことばの意味を担うのがオノマトペ。 絵文字や顔文字のような視覚的アイコンと、形容詞などの語の中間に位置し、意味のコアを掴む手助けとなるとされています。 そこから仮説形成を行い、言語を全て丸暗記するまで話し始めることができないのではなく、既存知識から新たなる知識を生み出していくのがアブダクション推論。 赤ちゃんや動物を対象に行った実験も豊富に引用されており、おもしろくも読み応えのある一冊です。
息子が小さいころ、「行く」と「来る」の使い分けがごっちゃになってたのを思い出した。自分が友だちの家に向かうときに「ぼくが来るね」など。 どちらも移動するシーンを動詞で表したものだから曖昧に感じたんだ!となんだかスッキリ。
オノマトペと言語習得の過程を通して、記号接地問題に迫り、言語の本質を垣間見る。言語関係の研究に触れると、意識や認知、AIなど、様々なジャンルで深い洞察が得られる。特に、人間の脳のメカニズムとAIというのは、基本的にはすでに同じプログラムになっており、ただ、そのベースとなる部分が、人間の脳は進化の過程...続きを読むにおいて積み上げられたルールに支配されている、ということではないかという考えを、本書を読んでより強くした。
オノマトペへの好奇心が言語自体の変化や習得に関する研究への入り口になったという点が面白かった。記号接地問題がその中心にあり、AI研究へと繋がっているので、予想外に広範囲な学びとなった。
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言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか
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秋田喜美
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