日本では存在も忘れられてしまうくらい地味で平凡なカオルは、失恋したショックから仕事を休んで海外旅行へと旅だった。
その旅行先のネムル・アルカト王国でなぜかカオルは人々から注目されてしまう。カオルのような容姿はここの国では絶世の美女らしい。
初めて人目をあびる体験に戸惑いながらこの国の国王であるシャル
...続きを読むクに口説かれ、その兄弟たちにも口説かれ、めぐるしく変化する自分への価値観に戸惑うカオル。
国王として立場が突出している故にシャルクへの周りの評価の寂しさと、大多数の中で埋もれる存在のカオルの寂しさは、違うようで似ていると思う。
そしてシャルクが感情豊かに涙を流したり哀願したりする様を「ヘタレ」だと片づけないでほしい。理由があるのだ。それを理解したとき、シャルクがとても愛おしく幸せになって欲しいと思うはず。
「…その後」の話、良かったなぁ。