家についていっていいですか、に著者本人が登場して知ったことがこの本を読んだきっかけ。
ラクダとともに歩き、旅をするなかでラクダに語りかける言葉が多い、冗長だけど、日記の中に哲学的な表現がでてくるところがおもしろかった。
「暑くて眠い。1日ぼんやりゆっくり過ごしたい」と休んでいたい誘惑に駆られる。冒険
...続きを読む者は何より勤勉でなくちゃいけない。
「あー水が豊かにあると言うのはなんと人間の心を誇らしげにするんだろうと。水がキラキラキラキラ光って大地に還元されいつの間にか集まってきたラクダ、ドンキー、ヤギ達が汲み上げられた水を貪るように飲んでいる。その姿を眺め溢れ出る水を満喫する。」
「貧富の激しいサハラの貧しい中で自分だけが豊か(精神的にも)でいたいという願望こそエゴイズムの極致といったものではないか」
「人間は誰のために生きているのか、何のために存在しているのか」
蟻や蚊の襲来、強盗・盗難といった苦難の修行は、メッカへの巡礼という言葉で納得される。
たびたび聞かれる「あなたはどこからきてどこにいくの?、何やってんの?」という問いかけにもメッカに巡礼するために歩いているんだといえば、ああそうなのねと納得される地域性。
口語調で話の流れが飛んだり、文の構成が読みにくい。とにかく長文(P307)なので、最後まで読むのが大変だった。しかし、なるほどと思うところや、共感できる人々の生活描写、モノの値段を円換算で記録等、死をかけた旅路を読み物として読むだけではもったいないのかもしれない。要約して再出版してはと思った。
まず、略歴としてのあとがきを最初に読んだほうがいいかもしれない。