松永昌三の作品一覧
「松永昌三」の「福沢諭吉と中江兆民」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「松永昌三」の「福沢諭吉と中江兆民」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
明治日本の主要な課題は、近代国家の建設にあった。
ただ、その方向に異論はなくとも、内容については議論が分かれ、西洋文明の受容に重大な役割を演じた福沢と中江も、対照的な反応を示す。
ともに私塾を興すが、実学尊重の慶応義塾、古典教養に執着する仏学塾と、教育理念は両者の世界観を反映し相違を見せた。
同年に没した思想家二人の文明論・国家論を、現代の問題関心から読み起こし、新世紀の展望を拓く。
[ 目次 ]
1 はじめに―没後100年
2 福沢と中江の生涯―比較対照される二人
3 慶応義塾と仏学塾―両塾の特徴
4 功利主義の功罪―近代社会と進化
5 西欧文明をどうみたか―「開化」のとらえ
Posted by ブクログ
福沢諭吉と中江兆民が、近代国家建設の出発点にあたり、どのような文明論、国家論を構想したか、それを見据えることで、内政、外交ともに息詰まっている現代日本の課題が浮き彫りになる、そういう本だと思う。
諭吉は日本の独立発展のためには、西洋文明の受け入れは必要不可欠と見ていた。文明を善、正義、力、進歩と見ていて、野蛮→半開→文明の発展段階説をとっていた。衝突があった時に、善や正義は常に文明の側にある。文明化が他の地域の植民地獲得をまねくことも、一定の批判は持っていたが不可避と見ていた。西欧列強の植民地支配を避けるためには、西洋文明を受け入れ一刻も早い国家的独立を達成し、さらには他の地域の植民地獲得に
Posted by ブクログ
明治時代の啓蒙思想家としてならび称される福沢諭吉と中江兆民の議論を、文明観やアジア観といったテーマごとに比較している本です。
本書のような構成で両者を比較すると、いきおい兆民の議論に依拠して福沢の議論を批評するというスタンスに傾いてしまいがちであることは、否定できないように思います。たとえば、「実学」を重視する福沢に対して「理学」を志した兆民の思想のほうに深さを見てとることは可能です。あるいは、人類が文明へ向かって進歩していくという福沢の楽観主義に対して、ルソーに由来する文明への批判的な視線を保ちつづけた兆民の懐疑主義に、現代的な意義が見いだせるのも、よく理解できます。
ただ、このように理