平川克美さん、1950年生まれ、初読みの方です。「路地裏人生論」(2015.6)を読みました。戦後の昭和を生きた者には懐かしく、そして納得のエッセイです。戦後の荒廃から「効率と生産性」で繁栄を得た一方で、そうでないものは時代の背後に押しやられ忘れ去られ・・・。私たちが失ってしまったものへの著者の落
...続きを読むち着いたまなざしです。また、不便、不潔、粗野だが野性味と人情の溢れた時代が東京オリンピック(昭39)を契機に一変した。同感です。著者が住みたい町の条件は、旨いそば屋、落ち着いた喫茶店、本好きが経営してる書店とかw
向田邦子は生活の微細なところを丹念に見つめるところから小説の世界を作り出した。人生のマイナス部分に意味を与えることのできる稀有な作家だった。 平川克美「路地裏人生論」、2015.6発行、再読。効率と生産性が繁栄をと信じ働いてきた。その一方で、効率的ではないもの、生産性の高くないものは徐々に背後に。しかし、本当に不要なものだったのか。本当は、人間の生活の根底を支えてきたのは非効率なものではなかったのか! いろいろなことを考えさせられたエッセイです。路地裏を熟知しているのは名前のない猫とかw。