著者は、議院内閣制度における「政治主導」とは「内閣、とくに首相を中心とした主導」とし、日本国憲法が想定していた「政治主導」が官僚の抵抗にあいながらも歴代内閣でどのような取り組みがなされてきたのかを概括している。
中選挙区制から小選挙区制への移行が、やはり、政治主導をすすめるための重要なポイントであ
...続きを読むったと指摘している。
官僚の抵抗はすさまじいものがある。しかしながら、政治を適切に動かし行くため所謂行政情報を独占している官僚の協力なくしては、一国の政治は適切に動くものではない。
政治・行政にまつわるありとあらゆる情報を政治家と官僚がいかに共有していけるのか、はたまた、共有した情報を基盤にいかに天下国家のため有機的に展開していけるのか。
ノブレス・オブリッジ、プリンシプル、プリミティブな正義感を基礎とする政治スタイルを毅然とトップが示し、官僚も喜々として協力せざるをえないようなマネジメント能力が求められる。
そのような資質を備えた政治家が所謂民主的な選挙によって国民に選出されるかどうかは大いに疑問ではなるが(涙)。