プロフィール 作者名:岡本嗣郎(オカモトシロウ) 性別:男性 生年月日:1946年 出身地:日本 / 大阪府 職業:作家 早稲田大学法学部卒。著書に『終戦のエンペラー 陛下をお救いなさいまし』、『シベリアのトランペット―もうひとつの「抑留」物語』などがある。
ユーザーレビュー 終戦のエンペラー 陛下をお救いなさいまし 岡本嗣郎 トミー・リー・ジョーンズがマッカーサーを演じた映画『終戦のエンペラー』を観た。 主人公はマッカーサーではなく、副官を務めたフェラーズ。日本を愛し、日本を良く知るこの男が、天皇を戦犯として裁くべきではない、との調査報告書をマッカーサーに提出したことが大きな要因となり、結果、天皇は不起訴となった。...続きを読む 映画ではフェラーズと、かつてアメリカの大学で同窓だった日本女性との恋愛をからめて、日本の風景を織り交ぜながら抒情的な描写が多かったが、どうもその部分は脚色だったみたいだ(この本を原作として映画がつくられたわけではないのかもしれない) 映画ではフェラーズはその恋人から日本文化を学び、日本を深く愛するようになったという話になっている。 この本は単行本発行時は『陛下をお救いなさいまし 河合道とボナー・フェラーズ』という題名だった。そして実際にフェラーズと親交が厚く、多くの助言や、資料集めを手伝い、多大な貢献をしたのはこの河合道という教育者で、映画にでてくるような若い女性ではなく、すでに初老を迎えた女性だった。 この本、ページの6割以上を河合道の生涯に割いている。彼女は恵泉女学園の創立者で、キリスト教の教えをもとに女子教育と女性の地位向上に努めた人物だ。 映画の内容をもっと深めたいと思って読み始めた本なのに、全く知らない人物の人生一代記を読み始めた感じだったが、これがすごかった。信念を持って邁進する女性の強さを知った。 とくにすごいと思ったのはが戦中にも関わらず、恵泉女学園とは別に恵泉農芸専門学校の設立を文部省に申請したときのやりとり。 手持ち資金なし、資金提供者のあてもなし、土地なし、建物なし。そんな状況で学校の設立を申請してくる道に対して、役人はあきれて「それではあなたは何を持っているのですか」と尋ねた。 彼女の答えは、「希望と熱意と信念です。そういういい方が口はばったいとおっしゃるなら、向こう気と呼んでくださって結構です」 この無謀に見える挑戦も終戦の4カ月前に見事に設立して成就する。 敗戦濃厚で日本各地が空襲に見舞われる状況下でも、女性の生きる道を標した偉業と言っても決して過言ではない。 このおばちゃん、すごすぎる! ちょーかっこいい。 大河ドラマ『八重の桜』で使われた「ハンサムウーマン」という言葉を、河合道さんにも使いたい。 余談みたいになってしまったが、後半の3割くらいでこの本の主題である、天皇の戦争責任、その回避方法、フェラーズの苦悩、マッカーサーの深謀遠慮、昭和天皇のご発言の真意、そして日本国民と天皇の精神的なつながり、などの描写が続く。これはこれで読み応えがあり、映画の内容をもっと深めたいという当初の欲求を満たしてくれた。 映画観ただけで知った気にならなくて良かった。 Posted by ブクログ 終戦のエンペラー 陛下をお救いなさいまし 岡本嗣郎 映画「終戦のエンペラー」の原作?原案?と知り、読みました。恵泉女学園の創始者、河合道にさかれている部分が多くて、彼女の伝記かと思った。フェラーズのハーンへの尊敬が日本への理解につながったんですね。天皇陛下、皇室への日本人が抱える感情は海外の人には理解できないでしょうね。理屈じゃない、日本人のDNAに...続きを読む刻まれたものだから、と私は思います。 Posted by ブクログ 終戦のエンペラー 陛下をお救いなさいまし 岡本嗣郎 終戦の時にこんなことがあったのか。もうちょっと他の文献も見てみたい。この時代に女の人はこんなに海外に学びに行ってたんだな。 Posted by ブクログ 終戦のエンペラー 陛下をお救いなさいまし 岡本嗣郎 久保姉から借りた本。終戦の時天皇の戦争責任が問われるなか、マッカーサーに天皇不起訴を進言する覚書を提出した副官ボナー・フエラーズ。その際助言を求め 信頼した人物の一人 河井道の話。恵泉女学園。 Posted by ブクログ 終戦のエンペラー 陛下をお救いなさいまし 岡本嗣郎 太平洋戦争後のアメリカ軍による統治を描いた作品、映画の原作です。 高校の歴史の授業でもマッカーサー以外の名前は聞いたことなかったと思うんだけど、その裏にいたアメリカ軍准将と河井道と言う女性。 この方、恵泉女学園の創始者なんですね。 文化も考え方も違うアメリカと日本がどのように交わって行こうとしたのか...続きを読む… いやー知らなかったね、ここら辺の話は。 勉強になりました。 Posted by ブクログ 岡本嗣郎のレビューをもっと見る