自治体病院の危機的状況についての本。力作ではある。自治体病院がここまでダメになった理由としては、コンビニ的医療を当然と思う住民エゴや小児医療の無料化に代表される需要の増加による現場の疲弊、訴訟の頻発による防衛医療、療養病床のうち介護型13万床を全廃し、医療型25万床も12年後までに15万床に減らすと
...続きを読むいうベッド数削減などがあげらている。雇用する側も権威主義的で「ぜひうちに来てください」と握手する感覚がないからなかなか欠員が補充できない。赤字も垂れ流しで、高知医療センターなどPFI方式で建物130億、設備100億という豪華な設備になっており、コスト感覚が全然ない。が、最大の原因は「外国であれば生命に関することは大切だから値段が高いのは当たり前と考える。しかし、日本は生命に関わることは最も大切であるからタダであるべきだという考えが強い(鈴木厚)」という意識であろうという。この意識が変わるのを待てるほど財政的な余裕がありそうには思えないのだが。。。