チェック項目13箇所。お客さまが買いたくなる商品は何なのか、買いたくなる価格はいくらか、買いたくなる売り方はどういうものなのか、何が売れるか分からない時代に、お客様に買っていただける商品をどう見つけるか、売り場でその商品の良さをどうアピールして売り込むか、こうした仕組みを根本から改革する必要がある。社会が成熟化し、ニーズが潜在化し、ニーズの変化のスピードが速くなるほど、小売業の重要性は高まってくる、社会への貢献の余地も高まってくる、小売業は内需拡大に貢献し、日本経済の活性化を支えていくべきだ。価格で奪ったお客様は、価格で奪い返される、こちらの店が気に入って買ってくれたのではなく安いから買っただけだから、他店で安売りをしていればそちらに行ってしまうのだ。ディスカウントは「麻薬的だ」と言われている、最初は効いても、だんだん効かなくなり、売り上げを増やすにはもっと刺激的なディスカウントが必要になってくる、最初は「安いな」と思った価格も、次第にインパクトがなくなる。日本でも経済格差が広がってきているが、低価格品を買わないと生活できないほどの低所得者は、実はまだそんなに多くはない、貯金もないわけではない、商品の価値を認めれば、安くなくても買ってくれるはずである。ユニクロが売れている、なぜだろう、私は品質がいいからだと思っている、素材がいい、縫製もいい、デザインもカラーもシンプルでベーシックである、流行も取り入れている、その割に安いから売れているのだ。お客様に満足していただくのが小売業の目的である、お客様に満足していただけない限り、小売業の発展はない、価格ニーズは強いから、ディスカウント志向の小売業があってもいいだろう、しかし、全部の小売業がディスカウント志向でいいのだろうか。お客様はいつも行く店舗を決めていることが多い、そのいつも行く店舗を変更する大きな理由が、「店員の感じが悪かった」である、店舗に行かない理由として、「価格が高い」「品質が悪い」に勝るとも劣らない多さである、お店のファンを増やすために、感じのいい挨拶をすること、感じのいい接客をすることは非常に重要であると考えられる。お客様の需要は減退しているが、買わないわけではない、価格が安ければ何でも買うのでなく、買いたいと思える商品で、価格が納得できれば買うのである。インタビュー調査で買いたいと言ったモノが、いざ自分でお金を出すとなると買わないということはよく起こる現象であるが、実際に売ってみた結果は真実である、お客様は実際にお金を出して買ってくれたのだから、間違いなくニーズがはある。小売業で差がつくのは、現場での実行レベルである、経営者は同じようなことを言っていても、現場で実行している企業と、していない企業の差が大きいのである。小売業では現場での実行がすべてである、経営者が何を言おうと、現場で売り場で実行されなければ業績を上げることはできない、セブン-イレブン・ジャパンの営業利益率が高いのは、マネジメントレベルが高いからだと思う、規模が一番大きいからではなく、マネジメントレベルのほうの影響が大きいと思う。マネジメントレベルを上げさえすれば、売り場はどんどんよくなり、売り上げも利益も増えてくる、マネジメントレベルを上げることは、経営改革する時に、最初に手をつけるべきことだ。小売業が価値を創造するためにも、社会に貢献するためにも、最も重要なのは人である、とにかく人を育てることである、残念ながらこれができていない。