大櫃直人の作品一覧
「大櫃直人」の「「伝説のバンカー」と呼ばれた男 スタートアップを圧倒的に成長させる仕事術」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「大櫃直人」の「「伝説のバンカー」と呼ばれた男 スタートアップを圧倒的に成長させる仕事術」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
ご本人も語っている通り、本書は「再現性の非常に低い成功物語」である。
本書中には、
「みずほの渋谷中央支店の責任者は出資と融資の区別がついていない」
「バカなんですか?リスクとリターンが一致してない」
といった著者に対する評価が登場することからも、常識的な銀行員ならやらないことを「個人的に面白い」というモチベーションで突き進めた結果として花が開いたように映る。
大学時代のエピソードとして、免許停止4回、取消1回、交通事故の示談を泣き落としで乗り切ったことなどが語られており、入社してからも懲戒解雇寸前のインシデントを起こすなど、遵法意識の欠如が散見される。こうした背景を踏まえると、本作は「銀行や企業のルールを大きく逸脱した行動が、時宜に恵まれてうまくいった」という軌跡として読める。
もちろん、大櫃氏自身が圧倒的な熱量と突破力を持った人物であることは間違いない。話術と体力を兼ね備えた驚異的な「ローリング力」を発揮し、1日7件の訪問や、出張先での追加アポ(午前・夜)をこなしている。当初はスタートアップ開拓のために毎週金曜にAwabarへ通い、帰りは自腹でタクシーを使うなど、一般人には真似のできない「ザ・営業マン、ザ・銀行員」の顔も持っている。
一方で、再現性を見出せる実務的な施策もある。
・スタートアップの口座を開きやすくする
・スタートアップ専用の審査ラインを作る
・スタートアップ案件を支店から切り離す(ひっぺがす)
これらは銀行として本来やるべきことではあるものの、どれひとつとっても社内調整のハードルは極めて高く、社外のみならず社内向けのコミュニケーション能力の高さもうかがわせる。
しかし、肝心の審査の基準について「気配値」と、バブル期の「社長の顔を見て融資判断をする」「人相学」といった過剰融資時代を彷彿というか大差ないこと滔々と語ったているあたりを読んでるとバブル時代に尾上縫に貸し付けて営業成績を上げた銀行員と根本的には変わらないようにも思えなくもない。
凄い人というのは衆目の一致するところではあるのだが、時と場が合わなかったら起きなかった再現性の無い成功物語であるのは間違いないだろう。