ティチュー・ルコックの作品一覧
「ティチュー・ルコック」の「絶望しかけた女子のための世界史」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「ティチュー・ルコック」の「絶望しかけた女子のための世界史」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
男女平等の話や女性の地位向上、少子化解消などの話になると「男が働き、女は専業主婦で家事子育てやってた時代は少子化なんて関係なかった。それでみんな幸せだった。その時代に価値観を戻せば良い」とか言ってくる年配の男性に対して(せっかくここまで女性が経済的に自立できるようになってきたのに、過去に戻ろうなんてバカ言うなー!昔の女の人たちでそれがいやで逃げ出しようもなくて我慢してた人がどれほどおるか想像も出来ないか?!)と腹立たしく思っていた。
この本を読んで、案外、もっともっと昔、いっそ何千年〜何万年も前の人々を参考にしてみるのはアリかもしれないと思った。一族・集団総出で生き残りに取り組まねばならない中で、男女で役割分担するのではなく、適性ある者が適性あることをしてたんじゃないかな。資本主義極まる世の中で誰も彼も働いて食い扶持を稼いでいる現代、悠長に貴族の真似事みたいな男女差別やってる場合じゃない。
遺物や史跡に研究者たちがその発掘・分析当時の性別役割分担を当てはめて歴史認識を歪めてしまってきたんじゃないかって視点にはハッとした。
先史時代の話題を取り上げる前半について、自分の記憶では教科書の挿絵とかは、男女混合・集落総出で採集などして竪穴式住居で家族団らんみたいなイメージだったし、卑弥呼もいるし、女性戦士のことや障害者のことなども読んだことがあったから、いちいち驚愕とともに最近の研究結果を紹介する筆者に対して、むしろフランスでは一体どんな教育してるんだ…と不思議に思う面もあった。
中盤以降は主にヨーロッパで社会の発達とともに女性差別・女性蔑視がどうやってスタンダードになっていくかが書かれているが、王家の話とか修道院の話とかで、馴染みが薄く、しばらく他人事みたいに読んでしまっていた。しかし、修道院の独房みたいなとこに自ら閉じこもった女性たちの話とか、魔女狩りの話とかから、どんどん引き込まれ、20世紀の話に入る頃には出てくる女性たちに敬服しっぱなしであった。
それぞれの時代で行動するフランス女性たちの姿に、自分も嫌なおっさんに嫌なこと言われてイライラするだけじゃなく、行動を起こして実力でねじ伏せられるようになりたいなと思った。
社会的な男女の差異・差別・女性蔑視は「男はマンモス狩り!女は樹の実拾いと子育て!」みたいな語り口で言われるような人間生来のものではなく、時代の節目節目でポッと現れ、為政者の都合や社会背景により苛烈になったり弱まったりする、ある種かなり人工的なものなのかもというところが見えてきた一冊だった。
Posted by ブクログ
“「私たちの権利を妨害しているものに、名前をつけなければならなかった。それは、私たちが妻や母親としてだけではなく、ひとりの人間として何かをやり遂げるたびに、罪悪感を感じさせる何か……」。”(p.284)
“どんな類人猿の集団でも、その社会の中心で、一握りの個人が他を死ぬまで搾取する構造は生じていない。オス支配が見られる動物集団のあいだでさえ、暴力を使う強制は、きわめてまれである。
男性の暴力は「自然」なのだろうか?
なぜ、わたしたち人間は女性にもっとも暴力をふるうサル種なのだろう? ほかのどの霊長類が、自分の子どもたちの母親まで殺すだろう?”(p.303)