田所昌幸の作品一覧
「田所昌幸」の「世界秩序 グローバル化の夢と挫折」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「田所昌幸」の「世界秩序 グローバル化の夢と挫折」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
世界秩序を決めるものは何か、という視点から近代の国家や国家間の枠組みについて論じ、これからの世界秩序について4つの可能性とそれぞれの特徴を語る。そして最後に日本のこれからについて、悲観的でもなく楽観的でもなく、丁寧に的確に指摘する。読み応えのある本でした。
特に最後の「ポストグローバル化と日本」の章はたいへんに示唆的で参考になりました。
国家というものがあったほうが庶民には生きやすい世界で、右でも左でもなく、イデオロギーでもなく、世界秩序の中で生き残る道を模索する、そのためのひとつの指針をいただけと感じました。
作者の見解への意見は各人で分かれる可能性はありますが、一読を勧めます。
中江兆民の外交論、読んでみようと思います。
Posted by ブクログ
世界秩序の歴史、そしてグローバル化の歴史をたどりながら、現代の世界秩序がどこへ向かうのかを考える一冊。
冷戦後、一時はアメリカを中心とする一極的な世界秩序とグローバル化が進んでいくかに見えた。しかし、それが揺らぐ現在、その先に待っているのは必ずしも明るい未来ではない。
興味深かったのは、国民国家という枠組みそのものが揺らぐ可能性を論じるなかで、「新しい中世」という言葉が登場することだった。田中明彦の『新しい「中世」――相互依存の世界システム』を読んだのはずいぶん昔だが、当時の「新しい中世」は、国家を超えた相互依存が進む世界を比較的ポジティブに捉える概念だったと記憶している。それに対して田所が示す「新しい中世」の可能性は、もっと暗い。国民国家による秩序が弱まりながら、それに代わる安定した世界秩序も形成されないという未来である。
最終章では、アメリカ一極秩序が崩れていくなかで、日本はどのように自主性・自立性を確保していくべきなのかが問われる。単純な処方箋が示されるわけではない。それだけに、これからの日本に何が必要なのかを考えさせられた。
著者は私より5歳年上だが、冷戦からその終焉、グローバル化の進展、そして現在の世界秩序の動揺まで、生きてきた時代感覚にはかなり重なるところがある。そのためだろうか、共感しながら読める部分も多かった。
世界秩序の歴史を振り返りながら、その先にどのような秩序――あるいは「無秩序」――が待っているのかを考えさせる好著。