大原鉄平の作品一覧
「大原鉄平」の「八月のセノーテ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「大原鉄平」の「八月のセノーテ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
裕福で暴力的な父。見て見ぬ振りをする母。理不尽な学校生活。心の支えになる異性の幼馴染。美しい海の景色。人工島で暮らす閉塞感。日常がどれほど苦しくても、幼さゆえにどこへも行けない。少年はノートに絵を描き、イマジネーションの世界に救いを求める。
湊かなえさんの原作で、何度も繰り返し観たドラマ『Nのために』を彷彿とさせる世界観の小説だった。
少年が父親の暴言や暴力に直面させられるシーンが何度か出てくる。そのどれも、生理的反応として時に否応なく流れてきてしまう涙以外、彼の表情や感情などについての描写はない。その描写がないことで、父親の言葉が自分の中に浸透してしまわないように、心を無にして、必死に抗っ
Posted by ブクログ
経済的に恵まれていることと、個人の幸福はあまり一致しないという事実を、新市街の隙のない窮屈さと、本土のえもいわれぬ雑多さを比較して描いていたのだと思う。
更に、そこに生きる中学生たちの、それぞれが置かれた生活環境での生きづらさが痛く伝わってくる。数は少ないけれど、登場する大人たちの気持ちや行動も、わからなくはない。
沈みゆく(としか想像できない)場所で生きるのって、絶望しかない。
収録されているもう一遍「森は盗む」も主なテーマは同じなのかなと思う。物はそれぞれ置き場所が決まっている、という発想はとてもいい。
また読みたい作家が増えました。