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  • 傷ついた世界の歩き方:イラン縦断記
    3.4
    1巻2,673円 (税込)
    フェミニズムを目撃する新しい紀行文学 「女性、命、自由!」デモの叫びが響くテヘランで、ニコラ・ブーヴィエの名著をたどり直す冒険が始まる──。 『世界の使い方』は〈僕〉にとって聖典のような存在だ。彼が旅した景色を自分で確かめるのが長年の夢だった。パリからテヘランに向かう飛行機では、一睡もできなかった。携帯電話にフランス外務省からの着信があり、イランで監禁される危険性を告げられていたからだ。 22歳のクルド人女性が、「不適切な服装」を理由に道徳警察に逮捕され殺害された……マフサ・アミニ事件をきっかけに、イラン全土で抗議運動が起きていた。そのデモ活動に参加した、同じくZ世代で16歳のニカ・シャカラミも被害に遭う。女性たちが髪を風になびかせながら抑圧に立ち向かう姿を目撃し、〈僕〉は、イランの過酷な現実を突きつけられる。砂漠が広がる大地の上、「死者の背後では千の心臓が鼓動する」。 テヘランからエスファハーン、ペルセポリスを経てザーヘダーン、サッゲズに至る縦断記は、傷ついた世界を生きる者のため「世界の傷口」に命がけでペンを差し入れる新しい紀行文学。アカデミー・フランセーズ賞受賞の作家の日本デビュー作。

ユーザーレビュー

  • 傷ついた世界の歩き方:イラン縦断記

    Posted by ブクログ

    イランはシーア派イスラム教独裁政権下での女性抑圧、スンニ派への抑圧、経済の悪化という悪評で知られている。
    しかしイランでの抗議運動が実際にどのような形で起こっているのか、浅学ながら私はこの本で初めて知った。
    組織的なリーダーがいるわけではなく、一人一人が勇気を出して抗議し、それぞれが徐々に呼応しあって大きな畝りになっていったのだ。
    市民生活ではヒジャブを外して抵抗の意を示す人、それを通報しないことで静かな抵抗に参加する人が多いと知って驚いた。
    女性達の勇気に敬意と連帯を表する。

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    2025年03月22日
  • 傷ついた世界の歩き方:イラン縦断記

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    2022年末、イランの旅

    著者はブーヴィエ『世界の使い方』(旅行記)を読み、人生でやるべきことー世界を見つめ書くこと、を見出す。

    2022年9月若い女性が「不適切な服装」をしていると警察に連行され脳出血で死亡、その後国内で抗議デモが頻発というイラン国内の状況の中、2022年末に著者はイランに出発。最初の宿から危険が迫ったが著者は自身の憧れを完遂するため宗教が政治を凌駕している国でタフな旅を続ける。だが、ある日突然に旅はあっけなく終わる。

    訳者さんの解説から読んだほうがいいかもしれないぐらい私はイランに対して無知だなあと感じました。2025年現在のイランも世界もどうなるのかさっぱり分からな

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    2025年02月26日
  • 傷ついた世界の歩き方:イラン縦断記

    Posted by ブクログ

    〝今〟のイランを伝える紀行文。
    シビアな内容もこれだけ軽妙に伝えられるのはすごい。
    この著者にぜひ日本も旅して書いてもらいたい。

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    2024年11月02日
  • 傷ついた世界の歩き方:イラン縦断記

    Posted by ブクログ

    ニュースでは、「イランの最高指導者である宗教指導者の〇〇氏は〜」とよく聞くが、宗教指導者が政治のトップにいるというのは、つまり、宗教の名の下で様々なことが体制側に都合よく解釈され、勝手に罰則が設けられ、体制を批判するものには人権はない、という世界のようだ。中東のテロ事件でよく聞くイスラム教原理主義の人たちは、暴力的で女性を虐げる、という印象を持っていたが、国民への締め付けがほんの少しだけゆるいだけで、まあ、似たようなことが起きているようだと感じた。
    イランのことをあまり知らずにいたので、こんなふうに抑圧されている国だったのか、と驚いた。

    よく考えたら、イランだけでなく、世界のあっちでもこっち

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    2025年07月01日
  • 傷ついた世界の歩き方:イラン縦断記

    Posted by ブクログ

    まず、イランの情勢に対してあまりに無知なため、読み進めるのが大変だった。フランス(ヨーロッパ)からの視点が体感として理解できなかったので、感情的に共感できる部分が少なかった。(後書きが丁寧に書かれており、これでだいぶ補足できた。)
    しかし、この本が提起する問題は普遍的なもので、一皮剥けば世界はこのようになりうるという恐怖と、いかに自分が世界に対して鈍感なのかを思った。
    この本がフランスではベストセラーとのこと。島国で安穏としていると足元がぐらぐらしていることに気がつかないのかも。

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    2025年05月23日

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