瀬嶋貞徳の作品一覧

「瀬嶋貞徳」の「色彩について」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 色彩について

    色彩について

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻1,287円 (税込)
    色の概念の論理は見かけ以上に複雑だ──。病床にあった晩年のウィトゲンシュタインは、ゲーテの『色彩論』に触発され、死の直前まで「色彩」の問題を考察し続けた。透明で白いガラスはなぜ想像できないのか、「赤っぽい緑」というような色はありうるか、全員が色盲である民族を想像してみよ……。『哲学探究』で示された「言語ゲーム」などの視点を採り入れた「色の論理学」ともいうべき思考実験は、われわれが自明視しがちな色彩概念を根本から揺さぶり、深い探究へと読者を誘う。同時期の遺稿『確実性の問題』にも通底する点がみとめられる、晩期の思想が端的に表れた断片集。

ユーザーレビュー

  • 色彩について

    Posted by ブクログ

    素晴らしい本を読んだ。ヴィトゲンシュタインにとっては、事実がとても大事だったんだなぁということがわかる。彼の中では色の明るさをめぐる科学的事実と哲学的思考が衝突していたのだろう。そしてまた彼の中では色の明るさをめぐる日常的な言語の用法の曖昧さも、色をめぐる問いに彼を導いていたのだろう。
    以下に示す引用では、永井均の「いたち」の議論(色と形が合体したものとして感じられる存在の思考実験)を感じられた。
    第Ⅰ部 六六 『ある人たちがわれわれとは異なる色の幾何学をもっていることを想定できないだろうか?』。このことはしかし、われわれとは異なる色の概念をもつ人たちを想定できないだろうか? ということを意味している。そしてこのことはまた、その人たちは、われわれの色の概念はもってはいないが、しかしわれわれもそれを『色の概念』と呼ぶかもしれないような、われわれのものと似かよった概念はもっているということを想像できないだろうか? ということも意味しているのだ。

    特に以下の引用からは、大森荘蔵みさえ感じられた。
    第Ⅱ部 二〇 物体の色が光を私の目のなかへ向けて反射するのを、私が見ることはない。

    こうしてみるとヴィトゲンシュタインは、色々な哲学者に影響を与えていることがわかるし、そして問いの深さもかなりえぐるようにクリティカルで、思考の芯のようなものを感じられるのがわかる。あまり考えすぎると色がわからなくなりそうな本。
    本書の解説に記載があったシュタイナーの色彩論(『神秘学概論』)も読んでみたくなった。

    0
    2026年10月14日
  • 色彩について

    Posted by ブクログ

    我々が当然のように使っている「色」の概念について問い直している。面白いのが、例えば光の性質やスペクトルといった物理的?な要因にはほとんど立ち入らず、ただ人が与える定義や言語としての論理性というところにフォーカスされているところ。改めて、色というものは例えば数字と同じで定義依存が強固で、他の概念による説明が全くできないところが面白い。私はこれを訳本として読んでいるが、果たしてウィトゲンシュタインの脳裡に浮かぶ「色」と寸分違わぬ同じものを思い浮かべているのか?とも思いながら、楽しく読んだ。

    0
    2025年04月11日

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