瀬嶋貞徳の作品一覧
「瀬嶋貞徳」の「色彩について」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「瀬嶋貞徳」の「色彩について」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
素晴らしい本を読んだ。ヴィトゲンシュタインにとっては、事実がとても大事だったんだなぁということがわかる。彼の中では色の明るさをめぐる科学的事実と哲学的思考が衝突していたのだろう。そしてまた彼の中では色の明るさをめぐる日常的な言語の用法の曖昧さも、色をめぐる問いに彼を導いていたのだろう。
以下に示す引用では、永井均の「いたち」の議論(色と形が合体したものとして感じられる存在の思考実験)を感じられた。
第Ⅰ部 六六 『ある人たちがわれわれとは異なる色の幾何学をもっていることを想定できないだろうか?』。このことはしかし、われわれとは異なる色の概念をもつ人たちを想定できないだろうか? ということを意味している。そしてこのことはまた、その人たちは、われわれの色の概念はもってはいないが、しかしわれわれもそれを『色の概念』と呼ぶかもしれないような、われわれのものと似かよった概念はもっているということを想像できないだろうか? ということも意味しているのだ。
特に以下の引用からは、大森荘蔵みさえ感じられた。
第Ⅱ部 二〇 物体の色が光を私の目のなかへ向けて反射するのを、私が見ることはない。
こうしてみるとヴィトゲンシュタインは、色々な哲学者に影響を与えていることがわかるし、そして問いの深さもかなりえぐるようにクリティカルで、思考の芯のようなものを感じられるのがわかる。あまり考えすぎると色がわからなくなりそうな本。
本書の解説に記載があったシュタイナーの色彩論(『神秘学概論』)も読んでみたくなった。