ネイサン・スロールの作品一覧
「ネイサン・スロール」の「アーベド・サラーマの人生のある一日 ――パレスチナの物語」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「ネイサン・スロール」の「アーベド・サラーマの人生のある一日 ――パレスチナの物語」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
Posted by ブクログ
小説風のタイトルと中身で気が付かなかったのだが、実はノンフィクションという恐ろしい小説だった。
占領されるということの恐ろしさを感じた。生活の全てが侵略されている。戦争のずっと前からこんなにも虐げられていて、人権も命も蔑ろにされていたと知った。
一方で、パレスチナの人達の伝統的なあり方、具体的にはあまりにも家父長制的で女性の人権や意思が軽視されていることに素直にショックを受けた。
気持ちや状況があまりにも精緻に書かれていてまるで小説のようだったためだと思う。
これは許されないと思うし、とても好きになれない。しかし、占領されていい理由にはならない。
そのような国でありながら、パレスチナを一度出ることができた女性がまた自ら帰っていくことに驚いた。何よりも大切な故郷を奪ういまの世界のあり様は変えなければならないと思う。
Posted by ブクログ
「本書はノンフィクションの作品である」
この一文で、こんなに胸が痛くなったことはこれまで一度もない。
かつてホロコーストの大虐殺が起きて、私たちはジェノサイドがいかに恐ろしいかを知った、はずだ。
しかし、今度はその被害者側が、別のジェノサイドを起こしている。
「神さまから与えられた土地」
正当化の理由は、ただそれだけ。
パレスチナの人々は、自分たち祖先の土地を奪われ、仕事を奪われ、パスポートを発行してもらえないので移動する自由も与えられず、裁判権もなく、自分の国の旗を掲げただけで逮捕されて拷問される。何万人ものパレスチナ人の命が、圧倒的軍事力の前で失われている。
そして、パレスチナの子どもたちが亡くなったことを喜ぶイスラエルの若者たち。
植民地化と不当な制圧で、国際法に違反していることは明らかなのに、アメリカのせいで裁かれずに放置されているイスラエルという殺人国。
ホロコーストの悲劇で、センシティブな問題となったことで、メディアもイスラエルの人たちが行っている殺戮を糾弾することができず、ずっとヴェールに覆われ見て見ぬふりをされてきた。
あの日、2023年10月までは。
いまや、インティファーダの頃とは違う。
ネットがある。YouTubeがある。
私たちには、発信する術がある。
かつて、村上春樹がエルサレム賞のスピーチで語ったように、システムを作ったのは人間だ。システムに負けちゃダメだ。
それがどんなに、高い壁でも。