山森英輔の作品一覧
「山森英輔」の「異形のヒグマ OSO18を創り出したもの」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「山森英輔」の「異形のヒグマ OSO18を創り出したもの」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
Posted by ブクログ
肉食になった異形のヒグマ(OSO18)がタイトルになっているが、読み終えて見えてきたのは人間の生態だった。
この本の面白さは、OSO18ではなく人間を描き出したNHK記者の取材力にある。
登場人物が全員男(オス)だったのも印象的だった。ハンター同士のプライド、記者への警戒心、記者としての意地。それぞれがぶつかり合っていて、場の空気が常にピリついている。その緊張感が、北海道の寒さも相まって妙にリアルだった。
OSO18がなかなか姿を現さないので、正直NHK記者が足手まといなんじゃないかと思ってしまっていた。地元ハンターにも明らかに煙たがられているし、メディアの人間に対してネガティブな感情を抱かざるを得なかった。
でも、最後の解体所のシーンで一気に見方が変わった。
感動したのは、あれだけぶつかり合っていた人たちが、最後に焼肉を囲むシーン。
p.241の4行目で、この記者の着眼点に鳥肌がたった。
「網の上には、焦げついた野菜の切れ端だけが残っていた。」
OSO18の話を読んだはずだが、最後に残ったのはヒグマではなく人の気配だった。
Posted by ブクログ
なかなか思うように進まない中での粘り腰の取材。面白かった。
途中から明らかに避けられてるし。
ヒグマの習性について記述があり、それがとても興味深かった。
人間に恐れられていたOSO18は、競争に敗れたヒグマの成れの果てだった、という展開は衝撃だった。
人里に降りてくるクマ達もまた、生き残るため、危険を感じながらも人間の生活圏に足を踏み入れる。正直可哀想に思う。
野生動物保護政策の結果が巡り巡って、今度は人の手で処分される動物達を生み出している、というのは滑稽でしかない。
「共存」とは何か、真剣に考えなければならないと警鐘を鳴らされたような思いだ。