作品一覧

  • ニューヨーク精神科医の人間図書館
    4.2
    1巻1,980円 (税込)
    「かれらにはわからないさ。 それがどんな気分かなんて」 「誰にでも起こりうることよ」 「結局、“意志”の問題じゃないんですか?」 人種的マイノリティ、統合失調症患者、 ホームレス、トランスジェンダー…… アジア系移民のニューヨーク精神科医として 出会った患者たちの、要約できない人生の断片。 【内容】 デンマークから始まった「人間図書館(Human Library)」では、利用者は「本」ではなく貸し出された「人」と30分程度会話をすることができる。民族的マイノリティ、エイズ患者、移民、統合失調症患者、ホームレス、トランスジェンダー、失業者など、さまざまな人が貴重な時間を貸し出してくれるおかげで、この図書館は維持される。他人に向けられたスティグマ(負の烙印)や偏見を解消し、共存の意味を考え直そうという意図で始まったこのプロジェクトは、いまでは世界80数カ国で進められているという。 大学で心理学を勉強したのち、自殺予防に寄与したいと思い精神科医に転向した著者にとって、この初となる著作は、まさに「人間図書館の書庫の片隅の物語」だ。本編には、メイヨークリニックとニューヨーク大学の研修医を経て、イェール大学で依存症精神科専任医課程を終えるまでに出会った、さまざまな患者が登場する。人種も性別も年齢も職業もジェンダー・アイデンティティも異なるが、共通するのは皆、社会的に脆弱な立場にあるということだ。 “人間図書館で人と人がお互いを知り、触れ合う過程は、精神科医と患者との面接に非常によく似ている。人生において、自分とまったく違う世界を生きている人と会話するようなことがどれだけあるだろうか。(…)私は人間図書館のように、私の患者と他の人の橋渡しをするような本なら、世に出すに値するのではないかと考えるようになった。” ――はしがき 差別、偏見、スティグマを乗り越え、共に生きる一歩を踏み出すために。子どもから大人まで、幅広くお薦めしたいエッセイ集。

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ユーザーレビュー

  • ニューヨーク精神科医の人間図書館

    Posted by ブクログ

    この本には、いろんな人がでてくる。それでも、人種も性別も生い立ちも病歴も、そんなの関係なくてみんな、ただの人間だった。スティグマに覆い隠されて見えづらいけど、みんな、私と同じただの人間なんだ。すべて、誰にでも起こりうること。

    なんか、この本は本当に要約できなくて、すみません。私が言いたいのはこういうことです、相手の立場になって世界をみてみる姿勢をずっと忘れたくないということです。こういうことを考える人間が悪いとか、良いとか、そんなのないと思うんです。そして、差別されがちな人だって、なんかやらかしちゃう人だって、何かがそうさせてるだけで本音は別のところにある。

    異常だと思われてても、その問題

    0
    2025年09月17日
  • ニューヨーク精神科医の人間図書館

    Posted by ブクログ

    ハッピーエンドではない。
    だが、人間を理解する一歩なのかもしれない。
    人は、経験したことは、理解できない。仕方がない、とは思うが、寂しいことだ。私は鈍く、独りよがりな人間だが、違う目線で接することができると、人として成長できるのかもしれない

    0
    2025年05月17日
  • ニューヨーク精神科医の人間図書館

    Posted by ブクログ

    善良に生きているつもりだけど、だからこそ共感できなくて?私にもたくさんのスティグマ(負の烙印)がある
    強くて優しい著者。
    韓国人への偏見を持っていることが恥ずかしい

    0
    2025年04月30日
  • ニューヨーク精神科医の人間図書館

    Posted by ブクログ

    【目次】

    はしがき:他人の人生を理解するということ

     1 ニューヨークで出会った人々

    ふたりのあいだの距離
    ニューヨークのホームレス、ホームレスのニューヨーク
    あの人がいなくなったことが信じられません
    記憶を共に歩く時間
    ひとりの命を救うということ
    人種的マイノリティの子の親として生きるということ
    アーモンドお婆さん

     2 共感するにも努力がいる

    わからないさ、それがどんな気分かなんて
    誰にでも起こりうることだ
    彼女の靴を履いて歩く
    共感と同情、そのあいだのどこか
    共感を超え、苦痛を分かち合うこと

     3 スティグマに負けない人生

    研修医の先生がいいです
    双極症は私の一部に過ぎない

    0
    2025年01月23日
  • ニューヨーク精神科医の人間図書館

    Posted by ブクログ

    精神病患者に縁がない人にとって、彼らは理解不能で異質な人々に思えるかもしれない。でも私たちは誰もが不安定で揺らぎやすい心を持っていて、何かのきっかけで容易くそれは壊れてしまうかもしれない。精神病は決してフィクションではなく、私たちの身近にあるものだと感じられた。
    読みながら、どうして人間はこうも脆いのだろうかと考えたけど、その脆さを抱えながらでも生きていくだけの強さをもまた持っているのだと思う。
    得るものが多いエッセイだった。読んで良かった。

    0
    2024年10月22日

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