著作権の基本がわかる本……だけど複雑怪奇なうえに、あいまいな部分も多く、改正も常にされてるらしいので、一言で言うと『難しい』
それを、なるべくわかりやすく書いてある。ありがとう児童書。『2024年発行』なので、2025年の今は最新に近い。
章ごとに見ていく。
1章 著作権ってなんだ?
著作権は元々はプロ(それでお金を得る人たち)のものだったという話から、詳しく書いてある。
『著作物とは 『1.思想または感情』を『2.創作的』に『3.表現したもの』であって、『4.文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの(著作権法第2条1項)』16p
授業で書いた作文にも著作権が発生する……と、ちゃんと小学生向けに書かれてる。
最後の項目は『著作権を侵害したら』で10年以下の懲役、または1000万以下の罰金。
いきなり逮捕はないよ。最初は警告だよ。大人に相談してね。の他にも、『もしかしたら、権利者が間違っているかもしれません』29pとも書かれてあった。すごい。良心的。
2章 著作権に含まれる権利
著作権が守るもの『作り手のハート』を守る著作者人格権と『財産的価値』を守る著作財産権。さらに著作隣接権がある。
……隣接権はプロでないとお目にかからないような。
心を守る著作人格権には下記3つがある。これは売ったりできない。
『公表権』公表するかしないか、いつどこでどのように公表するかを決める権利
『氏名公表権』公表時に著作名を表示するか、公表するなら実名かペンネームかを決める権利
『同一性保持権』自分の著作物の内容やタイトルで改変されない権利
小学生向けなので『子どもが作ったコンテンツを扱う場合、先生から子どもに一言、「ちょっといいかな」と許可を得る姿勢がほしいところです。』39pとも書いてある。
学校でも先生たちは『子どもたちに自分にも権利がある』と教えるためにも、子どもに断りは入れた方がいい。人間をちゃんと育てるために『人権』を含めて教えてあげてほしいと思う。
コンテンツの『私的利用』は好きにできることも書いてある。私的利用は好きにしていい。コピーでも印刷、朗読、絵の練習etc。好きに出来る。あくまでも『私的利用』だけど……これ、範囲が曖昧なんだよね。よく読むと良い感じにぼかしてある。家族や友人数人程度ならOKか?詳しく書けない難しい範囲なんだろうな。
学校内での著作権の扱いも書いてあるけど……学校内での著作権の扱いはゆるい。その感覚を子供たちが学校の外に持ち込みませんように。と思ってしまった。
3章 これは著作権侵害?
【1人気キャラをマネして描いてマンガを発表したら……】二次創作は親告罪だから、大抵の作者は見逃してくれてるだけのグレーゾーン。親告罪だから、作者次第。やりすぎ注意となってる。良心的な作者は二次創作について何かを言ってることもある。
最初にこの話という事は、子どもにとってもこの話が一番、気になる部分ってことなのかな。
最後は『著作権は曖昧な部分が多くて説明が難しいものもある』となってる。
特に現在AIが進んでるから、その辺りで新たな規制が出来る可能性は高い。
この本も後数年後には、AI部分を加味した話になりそうだなと思ってしまった。
楽しかった。基本と現状がわかった。でも、数年後には新しい本を借りよう。でないと、情報が古くなりそう。
ごちそうさまでした。