出島組織というやり方 はみ出して、新しい価値を生む
著:倉成 英俊, 鳥巣 智行、中村 直史
出島組織とは、長崎の出島のように、「本体組織から何かしらの形ではみ出して」、「新しい価値を生む組織」である。
出島組織で注目したいのは「熱さ」。出島を「出す」のではない。ほとんどの方が自ら「出た」のだ。
...続きを読む出る覚悟。出て、新しい地平を開く覚悟。実は、そこが一番のポイントだっかりするが、本書でそれを自然と伝えている。
精神的、慣例的に、見えない鎖国になっているこの国に、変化をもたらす運動を、みんなで盛り上げられたらとの思いを込めて、21世紀の出島の「翻訳書」として以下の9タイプの事例にわけて紹介されている。
①新規事業部タイプ
②新会社タイプ
③外部連携タイプ
④研究所・総研タイプ
⑤集合体形成タイプ
⑥自治体タイプ
⑦大学タイプ
⑧伝統工芸タイプ
⑨ひとり出島タイプ
共通して言えることは、みなさん「ええ顔」をされている。紹介されているほとんどの出島組織はゴールには辿り着いていない。しかし、見えない程に苦労を抱えて今に至っている。
そして、その顔は苦悶に満ちているのではなく、「ええ顔」である。大志をかかげ、それだけでなく、足元のことにも一生懸命取り組まれているスーパーマンのような人ばかりである。
変化を楽しむ、協働を楽しむ、時には孤独を楽しむ。楽しむの延長線上に自分だけではない、仲間と地域の楽しみにたどり着く。言葉では表現できなような、プラスの感情に触れ、学びを得ることができた。