山田めしがの描く絵は、実に美味しそうだ。実物よりも美味しくかける。
その写実性とおいしく描く技術は、他にあまり見ない。
シズル感という言葉を、あるデザイナーから、教えていただいたが、シズルを実感する。
そのレシピ本だ。確かに、10歳でもわかるように描いてある。
男子厨房に立たずとよく言われたが、今はひとりで生活すると厨房に立つ必要がある。
そして、自分の好きな味を作ろうと思っても、なかなかできない。
それは、基本ができていないからだ。
この本を読みながら、なるほどと思ったことがあった。
お弁当の作り方なので、彩りから料理を考えるって重要だ。
美味しい料理って、どちらかといえば茶色系になってしまう。
赤、黄色、緑そして茶色の色でカラフルなのはうれしい。
それを作るには、結構な手間がかかる。まずは、キッチンの道具から説明があり、
そして、彩り料理を説明する。
赤は、トマトだと思ったら、赤いタコウインナーだった。そうだ、タコウインナーは、なぜか心が躍る。いつの間にか、ウインナーは、茶色系食べ物に変わっていた。見ていて楽しいということは、大切だ。
そして、次に活躍するのがミニトマト。うん、やっぱり、彩には、ミニトマトだ。最近は、フルーツミニトマトもあって、彩りだけでなく、あまいのもうれしい。昔のファーストトマトは、おばあちゃんが、砂糖をかけて、トマトを出していたのが、懐かしい。それに、ナポリタンは、赤いぞ。名古屋のナポリタンスパゲッティは、鉄板の上で料理され、その周りに溶かしたまごが何ともいえなかった。赤と黄色が食欲をそそる。福島で食べるナポリタンは、赤色だけで、実につまらない。
それにしても、赤といえばとうがらし。中国の赤い四川料理の鍋は、印象深い。とんがらしと油で中国料理はできている。辛くないものが欲しいとお願いしたら、ご飯しかなかった。
黄色は、玉子焼き、それにカボチャ、極め付けはカレーだ。今思うと昔のカレーは、もっと黄色かった。夏の海に家で食べる黄色いカレーが大好きだった。
緑は、野菜で十分だ。ピーマンのあのツヤツヤした緑は宝石のようだ。青椒肉絲は、緑が生えて、豚肉も美味しくなる。不思議と緑は映える。しかし、私は、どうも緑が好きではない。農業して、野菜を作っていたにもかかわらず、緑を忌避している。緑がおいしく見えない。なぜ、そんな人間になったのかよくわからない。
ここでは、お弁当のおかずの説明だが、やはり白いというご飯のすごさだ。アルミの弁当箱に、白いご飯と真ん中に梅干し。ヒノマル弁当で、十分満足していた子供の頃を思い出す。長じて、のり弁となり、黒い弁当も、不思議とおいしく見える。海藻を食べるのは日本人だけと言われるが、ヨウ素たっぷりは、放射線にも対応する身体を作る。
こうやって、この本を見ながら、色から食の記憶をたどるのはおもしろい。