心に残る物語だった。
最初は、誰のこと信じることができず、培った自尊心を大事に守りながら後ろ向きに歩いている主人公の独白が辛くて読むのがなかなか厳しかった。
でも、神谷と交流して、神谷と傷を認めあって、優しさを分かちあってからの主人公は素敵に見えた。
ガラスのように固く脆い自尊心を持った2人が、いつまでも変わらぬ島の自然によって溶け合っていったのが、なによりも心に残った。
悲しい終わりだけど、絶望した時に思い出したい物語だった。
なぜ人の目が前についているのか。
体ごと後悔に向き合って、また体ごと前を向かなくちゃ。