非常に興味深い本でした。ただし、期待を超えるものではありません。感想を整理すると、以下のようになります。第1に、竹下登さんの集金方法です。小額な会費で幅広く集める理想的な集金方法を実現したそうです。この方法には、莫大な事務の手間がかかる。有能なスタッフが必要不可欠です。これは、容易には、実現不可能で
...続きを読むす。飯島秘書官も、同様なシステムの実現を目指していたようです。第2に、竹下登さんの政界出世関数です。文芸春秋で紹介されていたので、この関数の存在は知っていました。ただし、ここまで精密なものとは知りませんでした。第3に、宏池会内の人脈を理解しなければ、この派閥の動きを理解できない。宏池会には、3つの人脈が存在する。第1の系統は、大平、加藤紘一、第2の系統は、前尾、宮沢、谷垣、そして、第3の系統は、田中角栄につながる鈴木善幸、斉藤邦吉です。これらの人間関係がわからなければ、この派閥は理解できないと指摘している。加藤紘一が谷垣氏に会長を譲るのを渋ったのは、ここら辺の事情がわからなければ、理解できないと指摘している。最後に、宮沢さんの酒乱のエピソードは、面白いです。