面白かった.世界史の類はどうも苦手意識を覚えてしまう自分でもすらすらと読めた.
原始の狩猟採取時代から現代に至るまでの人間同士の争い(戦争)を巨視的に描いている.
国家の樹立や技術革新など,歴史の進展とともに戦争の技術,戦術,戦略がいたちごっこのように進化し,現代まで脈々と続いていることがよく理解
...続きを読むできた.
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・戦争は人類特有の愚かな行為なのか?
→No. 現代の文明を持たないヒトやその近縁種でも集団間の戦争は起きている
→生物の生存競争方法の表出。生命は与えられた環境で最大限の繁殖を試み、結果環境の収容力を超える。そんな状況では天候の変化など少しの環境の変化が生命に欠乏をもたらす。欠乏を埋め生き残るべく、他の群から奪う選択肢に生存上の合理性が生まれる。遺伝的に攻撃的な素質を持つ部族が生き残り、淘汰の結果、闘争が遺伝子に刻まれる。
ピュロスの勝利
→割に合わないこと の喩え
軍隊の指揮はなぜ絶対服従なのか
→戦争は本質的に不確実。絶対服従はその戦いを取り巻く不確実さを減らす。
戦争の極度のストレスは兵士の精神を蝕み破壊する。精神的な意味でのタイムリミットが各兵士にある。
エース
→WW1で生まれた用語。敵機を少なくとも5機撃墜したパイロット
ドローン攻撃
登場は2001年。
ドローン操作者は自分の命は晒さないという倫理上の批判がある
平等主義は相互監視や抑制行動が効く小規模集団では効くものの集団規模が大きくなると維持できない。上位下達のシステムが必要。さらには群衆をコントロールすることが必要
→統治者の登場、専制政治と軍事化
→大群衆が平等主義を取り戻すのは18世紀末の民衆革命(アメリカ,フランス)以降.
印刷技術の登場×識字率の向上=ある問題を集団で議論し,意思決定する民主制の萌芽
男に対する貧しい食生活と終わりのない労働、女に対する社会的身分の貶めはいわば抑圧の手段。
スイス→傭兵団の輸出を産業としていた.
ファランクス,時々騎兵や海上戦→1700年までには銃器を中心とした戦術にシフト.狙い撃ちではなく弾幕で圧倒するスタイル.
フランス革命 1789年
ナポレオンが皇帝へ.戦争の目的はヨーロッパ全土の支配へ. 1804年
民衆革命はナショナリズムも掻き立てる.統治者が自身の立場を失わない程度に繰り広げる限定戦争から全面戦争へ.
→塹壕で戦線を張り互いに持久戦→消耗線→大量資源が必要、国全体を巻き込む→攻撃の標的が国全体に。
→塹壕による硬直は戦車が突破.全面戦争は以前変わらず.
→電撃戦.スピード勝負の前線突破.(WW1後のドイツのポーランド侵攻)