ニュースステーションは、それまでの報道スタイルやキャスターの役割を一新した画期的な番組だったことを覚えている。
そしてその後、TBS や読売TVが同様な形を取ってきたことも。
久米宏さんが司会をつとめたが、彼がコンセプトからつくり込んできた番組だったことを知った。
「中学生にもわかるニュース」「テ
...続きを読むレビ的なニュース」「楽しめるニュース」が『ニュースステーション』が掲げたコンセプトらしいが、思い起こすに、それはしっかり伝わったな。
一つの事柄を深く掘りさげて報道することで、問題の本質をよりわかりやすく伝えるように考えてきたことも本書で知った。
一見、それまでのニュース番組と異なり、話し方や服装、そして表情もチャラチャラした雰囲気の人だなと思っていたし、徹底的に敵にまわしていた時の政権与党(自民党)の重鎮からは、いい加減な若僧だと見られていたようだ。
しかし、メディア、特にテレビや新聞報道の使命とは、時の権力を批判すること以外にはない。マスメディアが体制と同じ位置に立てば、その国が亡びの道を歩むことは、第二次世界大戦時の大本営発表を例に出すまでもなく歴史が証明している。現政権がどんな政権であろうが、それにおもねるメディアは消えていくべきだ。
との主張を読むに、良い意味で見方が変わった。
「テレビがすばらしいのは人間を映したときです。画面にしっかり生きている人間が現れたときのテレビの魅力は、筆舌に尽くしがたいものがあります。感動的な極限の状態に置かれた人間。そしてしっかり生きている人間を生々しく映し出したとき、テレビの可能性は無限大であると私は思っています。(1988年のペナントレースを決定付ける)10月19日のロッテと近鉄の選手たち、監督、コーチ、すばらしい役者がそろい、テレビに命を吹き込んでくれました」
は、テレビ人としての素晴らしいコメントだと感じた。