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  • 〈個〉の誕生 キリスト教教理をつくった人びと
    4.3
    1巻1,892円 (税込)
    イエスの隣人愛の思想がその死後ギリシア・ローマの哲学的言語によって教義化されていく過程で,新たな存在論が作り出された.個の個的存在性(かけがえのなさ)を指し示す概念を中心とするこの存在論が古代末期から中世初期に東地中海世界の激動のうちで形成された次第を,哲学・宗教・歴史を横断し伸びやかな筆致で描き出す.(解説=山本芳久)

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ユーザーレビュー

  • 〈個〉の誕生 キリスト教教理をつくった人びと

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    ネタバレ

    すごく面白い本だったけど、カロリーは非常に高くて別の本を引き引き二回読んでなんとかついていけるかなあという感じ。キリスト教神学かじったけどギリシア哲学がよく分からない私がぎりぎりなのに、解説で山本先生が「キリスト教の教理論争やイエスの教えに触れたことのない人にこそおすすめしたい」とか書いているがそんな人は正直これは読めないと思うなあ。

    三位一体・キリスト論という4~6世紀に行われた複雑な神学論争を、ギリシア哲学の背景と各論者の著作、用語の捉え方など繊細に触れながらひも解いていく。その柔らかく広い視点に導かれるのは心地よく、勉強になった。
    著者は硬直した文化の破壊性と隣人愛をイエスの教えの核に

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    2023年03月11日
  • 〈個〉の誕生 キリスト教教理をつくった人びと

    Posted by ブクログ

    三位一体論、キリスト論、その教義論争の歴史は、取り上げられてこなかった。しかしそこにこそ現代にまでつながる「個」というものを生み出した重大な過程があったという。「ビザンツ・インパクト」と著者が言う思想の展開は、些末なことに拘泥するという従来の西欧側からのビザンツ神学像をうちこわし、「ビザンツ」ということばにポジティブな意味を持たせている。画期的な一書。

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    2023年04月25日
  • 〈個〉の誕生 キリスト教教理をつくった人びと

    Posted by ブクログ

    序章と終章にある一人の友人への語り掛けが、差し出された理解が、ある迂回路を経て普遍的なものに通じてもいる、というこのテクストの展開を、著者は「ヨーロッパの胎内巡り」、ボエティウス『哲学の慰め』に擬えているが、このテクストで扱われた内容である、個別と普遍の間の緊張関係を表してすらいる。なんという名著。

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    2023年04月09日

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