作品一覧

  • 倫理的なサイコパス
    3.8
    1巻1,870円 (税込)
    いつだって条件はそろわないし 予想通りにいかない、 それでも診療は進んでいく―――― 精神科医として約10年、つねに頭をフル稼働させて格闘する日々を送る著者。 「予期せぬこと、焦ること、絶体絶命のピンチになること」であふれている現場で、著者は隠しきれない生身の自分を抱えながら試行錯誤する。 「切り捨ててしまったかもしれない部分をもう一度検討し直せる “倫理的なサイコパス” に私はなりたい――」 H氏賞受賞の詩人としても活躍する医師による、ユーモラスで大まじめな臨床エッセイ。 「ある程度までは、“医療”っぽくやることが可能だ。例えば薬を出したり、検査をしたりすれば、それらが私と患者さんを仲介してくれるし、“医者” 役をやっていれば済むことも少なくない。しかし、どうしてもある場面では役ではなく “個” として患者さんに接さないといけない。応答を求められたときに思わず反応するのは、医者としての役割ではなく “個” だからだ」(本文より) 頭木弘樹さん、推薦! 「待合室の3時間待ちが、この本のおかげで一瞬だった。冒頭からひきこまれ、気がつけば尾久ワールド! 医者と患者のあいだには深くて暗い溝があるが、そこに笑いの土のうを投げ込んでくれている」 【目次より】 ◆第1章 倫理的なサイコパス 倫理的なサイコパス / 犠牲者の臨床 / ヨコヤとの戦い / ドロップアウト / 傷つき傷つけながら生きるのさ / 病気を診ずして病人を診よ / 守護霊論 / 七瀬ふたたび / いいひと。 / 思春期とSNSと私 ◆第2章 破れ身の臨床 破れ身 / ほとんどが無名 / 歯が命 / 多重関係 / 二刀流幻視 / 兄役 / 先生のツイートみてます / ルーティン / 美容外科医に学ぶ / 「ありのままの姿」役 ◆第3章 知らんがな、社会問題 社会問題って何 / メンタルかかりつけ医をつくる / MBTI / 「場」がなくなる / 身体に合わせる / 強制医療の悩み / 精神科医の書く一般書について / 道中不適応 / サプライズ / サイレントマジョリティー / 高いいね血症
  • 日常化する心の病
    -
    1巻220円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ●〔対談〕現代社会に生きるしんどさ 「推す」心理、「推される」心理の向こう側 尾久守侑×中元日芽香 ●診断の普及で救われる人、救われない人 繁茂するメンタルクリニック 櫛原克哉 ●ネットが拓く新たな自殺対策とその課題 「死にたい」の可視化で生じた変化 末木 新 ●〔対談〕臨床心理学とマルクスの分断 心をケアし、社会を良くする第一歩 東畑開人×斎藤幸平

ユーザーレビュー

  • 倫理的なサイコパス

    Posted by ブクログ

    わたしは精神科医ではないが、わかるなと思うことはあった。


    「待てよ、ひよっとして、などといちいち考えるようになり、結果的に中立的な態度をとる」
    わたしはある閾値を越えたら、全然中立的な立場をとっていないけれど、全然中立じゃない行動をとってしまった後で、でも待てよ、ひょっとしてと、いまさら考えてもしょうがない振り返りをする自分になってしまった。

    「まったくの勘違いで怒鳴られてものすごく怖く嫌な気持ちになり、ああ、この怖く嫌な気持ちこそがふだんこの患者さんが厳しい夫に怒鳴られたときに感じているものなんだろうなあ、みたいに本人の辛さを理解する」

    シチュエーションは全然違うけれど、要は確かにこ

    0
    2025年02月24日
  • 倫理的なサイコパス

    Posted by ブクログ

     暇つぶしに本屋を彷徨っていたら妙に気になる表紙の視線を感じ、手に取ったのがこの本でした。5ページほど読んでみてこれは面白いぞ…と思いすぐレジへ。直感に従ったあの時の自分に感謝です。
     医者ではありませんが似たような仕事をしている身として、日々の診療の中で培った思考など考えさせられることがとても多かったです。読んでいて思わず笑ってしまうようなユーモア溢れる文章で、初めてのエッセイでしたが楽しく読めました。

    0
    2024年08月24日
  • 倫理的なサイコパス

    Posted by ブクログ

    詩人にして精神科医のユニークなエッセイ。 軽妙な 語り口が読んでいて心地よい。 タイトルになっている倫理的なサイコパスとは 臨床の現場の中で 深刻かつ多様な患者に、誠実かつ持続可能に向き合っていくために、意識的無意識的にとっている複雑な向き合い方こと。ここまで極端なケースではなくても 多くのビジネスマンが 同様の経験を 職場でしているのではないだろうか。 多くの人にとって気づきのある良書だと思う。

    0
    2024年07月15日
  • 倫理的なサイコパス

    Posted by ブクログ

    【目次】

     第1章 倫理的なサイコパス
    倫理的なサイコパス
    犠牲者の臨床
    ヨコヤとの戦い
    ドロップアウト
    傷つき傷つけながら生きるのさ
    病気を診ずして病人を診よ
    守護霊論
    七瀬ふたたび
    いいひと。
    思春期とSNSと私

     第2章 破れ身の臨床
    破れ身
    ほとんどが無名
    歯が命
    多重関係
    二刀流幻視
    兄役
    先生のツイートみてます
    ルーティン
    美容外科医に学ぶ
    「ありのままの姿」役

     第3章 知らんがな、社会問題
    社会問題って何?
    メンタルかかりつけ医をつくる
    MBTI
    「場」がなくなる
    身体に合わせる
    強制医療の悩み
    精神科医の書く一般書について
    道中不適応
    サプライズ
    サイレントマジョリティ

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    2024年05月27日
  • 倫理的なサイコパス

    Posted by ブクログ

    ちょっと調子のっちゃってる感もあるが、読者とちゃんと距離があって、肩の力が抜けてるんよね。そこがサイコパスなんか。ミョーに淡々とした流れるようなニホンゴが、目に心地よいわぁ、これは診察でもカウンセリング巧いだろうなぁと思いました

    0
    2025年05月25日

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