和田とも美の作品一覧
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Posted by ブクログ
これはとてもよかった。
1988年に平壌で出版された作品で、80年代の北朝鮮の地方都市が舞台ということなので、それから40年もたった現代、そして北朝鮮でも都市部ではまた状況が違うのかもしれないけれど彼の国の家族の様子とか家庭、職場の様子などを窺い知ることができてとても興味深い。
主人公は市の人民裁判所の判事、彼の慎ましく、生真面目な視点で複数の家族や夫婦の姿が描かれている。
田舎の工場で働いていた摩擦プレス工の女性が歌のうまさを認められて芸術団の花形歌手になり、寡黙な旋盤工の夫に次第に不満を募らせるようになる。彼女からの離婚申立てを受けて主人公も自分たち夫婦の暮らしを振り返り始める。過去の離
Posted by ブクログ
友(벗)は北朝鮮の小説。壁の向こうの世界はどんなだろうと興味があった。小説には二組の夫婦が登場する。一組は夫が工場の旋盤工で妻が道芸術団のメゾソプラノ歌手。一組は夫が人民裁判所の判事で妻が野菜の品種改良家である。地方都市に住む判事の所に離婚請求を訴えに女性がやってくる。道芸術団のメゾソプラノ歌手のチェ・スニだ。彼女が訴えるには、彼女の夫のリ・ソクチュンは彼女と生活のリズムがまったく合わないという。チョン・ジヌ判事はスニの主張だけからは離婚の是非が判断できず、夫の方の話も聞いてみなくてはと思い、夫が働いている工場に訪ねて行った。こうして離婚にいたるには何事があったのかと調査をする。判事は自分たち
Posted by ブクログ
1988年に書かれた北朝鮮文学。日本で北朝鮮文学が出版されるのはとても珍しく、韓国で出版され、フランス、アメリカで翻訳されたため日本でも出版されることになったそうです。
若い夫婦の離婚相談をきっかけにその夫婦とその相談を担当する判事がそれぞれの恋愛、結婚、家庭生活を顧みるという難しいことはなく、日本はアジア圏ということもあり1980年代ということを考慮すると考え方に一定の理解もできる内容。
優秀な妻、家事の負担、真面目一徹な夫、ちょろまかす小悪党…市井の人々の暮らし、特に夫婦生活の悩みが日本とさほど変わらないんですよね。
1980年代、女性も働く北朝鮮の家庭を維持することはハードだっただ