マーク・シノットの作品一覧
「マーク・シノット」の「第三の極地――エヴェレスト、その夢と死と謎」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「マーク・シノット」の「第三の極地――エヴェレスト、その夢と死と謎」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
Posted by ブクログ
著者は、登山家でロッククライマー。1924年にエベレスト初登頂を目指したイギリスの登山家マロリーとアーヴィンの足跡をたどりながら、アーヴィンの遺品を探索するためにエベレストを目指したノンフィクション。 自身のエベレスト体験と過去の挑戦者たちの歴史、登頂した人、還らなかった人たちの話、エベレストの登山環境、現代の登山など様々な事例を紹介しながら、著者自身の体験、エベレスト登山について考察しており大変面白く読めた。
以前、エベレスト登頂を目指した栗城さんを追ったノンフィクションを読んだが、この本を読むと準備を怠らない経験豊富な登山家であっても、不運に見舞われることもあるし、観光ツアーで登る人、名声を求めてチャレンジする素人登山者たちが事故で命を落とすことも多い。 現在でも頂上付近には、放置された200体以上の遺体があるらしい。 エベレストは人間にとって南極や北極同様に極限の環境であり、登頂には天候などの幸運に恵まれる必要がある。著者の登山の本来の目的は遺品探しだったが、運よく登頂することができた。エベレストを知る一人である。酸素ボンベを使って登頂した彼の過酷な経験を読むと、栗城さんの無酸素単独登頂という目標が、いかに無謀だったのかがよくわかる。おそらく何十回チャレンジしても結果は同じだったと思う。著者はマロリーの時代、1920年代の登山と自分の経験を重ね合わせているが、自分は栗城さんの登山と照らし合わせながら読んだ。過酷なエベレスト登山の世界を知りたい人には、この本は第一級のノンフィクションであり、必読書と言っても良いと思う。
Posted by ブクログ
長距離移動を伴う泊まりがけの仕事が入ったので旅のお供にと購入。いつものことだけど亜紀書房の海外ノンフィクションはハズレがない。
本書は登山家である著者が「1924年にエヴェレスト山頂付近で消息を絶ったひとりの若きイギリス人登山家の遺体を捜索する」というナショジオのドキュメンタリー制作(2019年)に参加したときの顛末をつぶさに記したもの。
膨大な資料をもとに、1924年のイギリス登山隊の苦戦の様子と、2019年の自らの旅程や現代のエヴェレストを取り巻くさまざまな事情・問題を自由自在に行き来して描く巧みな構成に舌を巻く。
そして真に迫る筆致でぐいぐい読ませる。タフな一冊。
Posted by ブクログ
表紙写真の近景は、著者である。では遠景はというと、エベレスト頂上だ。しかし異様である。晴れているとはいえ、世界最高峰のエヴェレストに、行列ができている。実はこれ、大変な問題となっている。
ごみが増える、とかそんな問題ではない。エヴェレストが、さして登山経験&技術のない登山者にも、ツアーとして魅力的な素材となったため、混雑が起きている。経験の少ない登山者は足がすくんで動かない。思わぬ高地での体の反応によって、思うように体が動かない。こうした人たちが行列の中に一人でもいると、さして広くもない登山道が混雑し、そのために多くの死が起こっている。簡単に登れるといっても、やはり山の天気は変わりやすい。天気予報は100%ではない。安心しすぎは禁物なのである。
夢枕獏小説『神々の山嶺』では、登山家ジョージ・マロリーの同行者であるアンドリュー・アーヴィンが持っていたカメラが見つかっていた。しかし実際は、マロリーの遺体だけが1999年に発見され、アーヴィンの遺体と彼が持っていたカメラは未だ見つかっていない。
なぜカメラの行方がこれほど関心を持たれているかといえば、そのカメラに、もしかしたらマロリー登頂の瞬間が撮影されているのでは?と思われたからだ。もしそうであれば、エベレスト北壁の登頂の歴史は書き換わる。但し、ぽつぽつと発見された遺品の場所や、マロリーの遺体の状況からみて、登頂はされていないというのが大方の意見である。
とはいえ、マロリーのおひざ元であるイギリスとしては、北極と南極到達の栄誉を他国に奪われ、第三の極地到達を狙っていたのだから、そう簡単には諦められない。遺体発見まで何度も遠征隊が差し向けられた。巻末に最新情報が載っているが、どうやらカメラに収められていたフィルムをダメにしたため、遺体もろともどこかに某国が隠したのではないか?説が浮上している。某国の隠蔽体質を考えると、いかにもありそうだ。