2012年11月の出版なので最近の円安傾向が始まる前、円安は日本経済を復活させるという案に疑問を投げかける本。
「円安進行初期-株価は大幅上昇、国債流通流通利回りは小幅上昇」(p.116)では1ドル90円程度、日経平均15000円くらいまで上昇、10年物国債は1%程度に上昇→その後「円安進行中期-懐
...続きを読む疑的ムードが徐々に台頭」(p.118)では1ドル110円程度、円安からくるコストプッシュ・インフレのリスクを市場が意識し始め、株価がまだ上昇する銘柄とピークアウトして下落に転じるものに分かれる、長期国債は2~3%→「露呈する『不都合な真実』-そして『トリプル安』がやってくる」(p.120)では世界通貨の中で円だけが独歩安で日本国債が下がり日本の金融機関の含み損が増え経営不安が出て、短期資金調達や決済業務に支障が出るとのこと。外国人投資家がリスクを感じさらに円売りに入り、日本株、日本国債も下がるとしている。
本の中では、「円安時代の日本の復活シナリオ」(第7章)として「輸出競争力の向上」(p.155)、「地方での積極的移民の受け入れ」(p.156)、「勤労女性の子育て支援」(p.158)、「観光客を増やす」(p.160)などが挙げられた上で「激変を乗り切る資産運用」(第8章)が提示されている。