アダム・ファーガソンの作品一覧
「アダム・ファーガソン」の「ハイパーインフレの悪夢―ドイツ「国家破綻の歴史」は警告する―」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「アダム・ファーガソン」の「ハイパーインフレの悪夢―ドイツ「国家破綻の歴史」は警告する―」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
新政権による財政支出の方針が固まり、10年、20年、30年の国債金利がヒストリカルなターニングポイントを超える水準まで上昇し始めたことは、日本のデフレがついに収束し、インフレの扉が開いたことを意味する。
現在の日本の財務官僚や政治家たちは、ドイツのハイパーインフレの推移を知り尽くしているはずだろうし、自国通貨の価値を保全することの重要性は承知しているはず。一方で、インフレは巨額の債務価値を一気に減少させることも事実であり、「コントロールした形のインフレ」は望んでいるのかもしれない。
今後の日本の数十年間という時間軸では、デフレに戻る可能性よりも、インフレが恒常化する可能性のほうが高く思える。さらには、地震や噴火による天変地異が発生すると物資不足となり、短期的・局所的なハイパーインフレを起こす可能性は否定しえない。(コロナ初期のマスクのように)
この本は、第一次大戦が勃発した1914年から1925年にインフレが沈静化するまでの約10年間に、社会規範が完全に壊れ、さらにはファシズムの台頭へと繋がっていくまでの観察記録。約100年前、我々の3~4世代前の異国の話なのだが、既視感ある記述が多い。
インフレ初期においては、人々はインフレを通貨の価値の下落ではなく、物価の高騰と考えていた、という記述はまさに現在の日本円の置かれている状況と同じ。他にも様々な類似点あり。背筋がゾワっとなる。
この本は定期的に読み返す必要あり。
Posted by ブクログ
「国を打ち倒したかったら、まずは通貨を破壊せよ」
想像を絶するハイパーインフレの実態。。。というか、ほとんどどのページを見てもパンが一日で30%値上がりした、とかそういう話ばかりで逆に眠たくなるくらいだ。
1914年に50%程度だったドイツのエンゲル係数は、1919年には75%になっていたという。1913年から1923年までに、丸くは実に1兆分の1の価値にまで暴落(というか微小すぎて無視していいレベル)
WW1:軍部:戦争したい→政府:戦費調達→インフレ
(兵士の戦意をある程度くじくくらいのインフレだったようだ)
ベルサイユ条約(フランスがありったけの恨みを込めて創り上げた条約)
マルク安にして重工業の国際競争力をあげるため(ウォン安みたい)、見た目の賃金をあげるため(実際はすごいインフレで銀行員の年収で4人家族を1ヶ月食べさせられるのがどうにかってくらいだったらしい。。。死ぬしかないやん)
「ドル・物価が上がる」との認識。マルクが下がる、との認識はなく、より多くのマルクを求める。
貯金などの資産価値は激減
とにかく通貨をモノに変えようとして、老人が子供服を買ったりするくらい
「パニックがあらゆる法を無視せよと言っている」
インフレ→外国人にとっては旅行が激安(日本人もカメラ買いに行ってたらしい)→困窮する自分、豪遊する外国人→外国人嫌い
インフレ→金融=ユダヤ人の陰謀説(なるほど!)→反ユダヤ主義
ブルーカラーの給料がホワイトカラーの給料を凌駕。「頭脳にはもはや市場価値はない」と大学教授が嘆いたほど。(なるほど!知識階級に多かったユダヤ人がアメリカに行ってもいいやと思えただろうな。後から考えたら馬鹿としか思えないけど、これなら納得。)
農民(=減少しない価値有るモノを持った人)のほうがいい生活。グランドピアノを小麦少しで手に入れるなど。
中産階級の崩壊、反ユダヤ主義→ヒトラー台頭の温床に
Posted by ブクログ
本書では、ドイツが経験したハイパーインフレの歴史が丁寧に描かれており、通貨価値が崩壊するという現象の恐ろしさを、まるで目の前で起きているかのように感じながら読み進めた。特に「貨幣とは何か」「紙幣の価値は人々の共同幻想に基づく」という指摘は、自分に強い印象を残した。
私たちが当たり前のように使っているお金も、社会全体の信頼が揺らげば、あっという間にその価値を失う。貨幣の信用が成立するには、一定以上の信頼が欠かせないという事実を改めて思い知らされた。
現在の日本や世界情勢は目まぐるしく変化しており、将来を正確に予測することは極めて難しい。しかし、本書を通じて「不確実な時代をどう生きるのか」を考えるきっかけを得られたように思う。自分自身も、経済や社会の動きを主体的に学び続ける姿勢が必要だと感じた。
本書は、今後の時代を生きていくための視点を与えてくれる大変示唆に富んだ一冊であり、折に触れて読み返す価値があると強く思った。
Posted by ブクログ
アダム・ファーガソン著『ハイパーインフレの悪夢――ドイツ「国家破綻の歴史」は警告する』は、1923年ワイマール共和国で起きたハイパーインフレの地獄を、生々しい資料と証言で再現した迫真の記録です。パンやシャンパンの値段が1日単位で桁違いに高騰する中、市民がどう生き抜こうとしたのか、リアルすぎる描写に背筋が凍りました。
著者はジャーナリストかつ歴史家として、外交資料・日記・新聞を縦横に活用し、学問の厳密さと読み物としての引力を見事に融合しています。インフレによって日常が崩れ、信頼さえ奪われる様子は、現代の私たちにも多くの示唆を与えてくれます。
この本は単なる経済史ではなく、「お金とは何か」「価値とはどこから生まれるのか」と自問させられる一冊。経済・歴史・社会に興味がある人はぜひ手にとってほしい必読書です。
#ハイパーインフレ #歴史ノンフィクション #アダムファーガソン