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  • 独裁と民主政治の社会的起源 近代世界形成過程における領主と農民 上

    独裁と民主政治の社会的起源 近代世界形成過程における領主と農民

    ビジネス・実用

    3.5
    1~2巻1,243~1,650円 (税込)
    なぜイギリス・フランス・アメリカでは自由民主主義が成立し,日本やドイツではファシズムを招来したのか.ロシアと中国で共産主義革命が起きた理由はなにか.各国が経験した近代化の異なる道筋を,社会経済構造の差に注目して説明した比較近代化論の名著(一九六六年刊).上巻ではイギリス・フランス・アメリカ・中国を分析する.

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ユーザーレビュー

  • 独裁と民主政治の社会的起源 近代世界形成過程における領主と農民 下

    Posted by ブクログ

    下巻は、戦前日本(ファシズム)、インド(議会制民主)、理論まとめ。
    日本については、プロイセン=ドイツとの対比も交えて語られる。ドイツのユンカーほど強制的なアクターはいなかったにもかかわらず、元々の協業の必要性と(村八分などの罰則も含め)統制の強い社会だったために農村部の権威(地主)と社会構造(隣組など)が温存され、農本主義→ファシズムへ進んだという話。ちなみにユンカーについては、先行して産業化した外国への輸出という誘因があったためにイギリスと違って農奴を得る方向へ進んだというような説明。
    インドについては、この本が書かれた時点ではプロセスが完了してないって気がするので話半分で読んだ。カースト制度が文化と社会体制のタイムカプセル化みたいに働くっていう指摘は他でも読んだことあるな、ってくらい。
    理論まとめは、これまでの総括と留保など。農本主義的な考え方が古代からあったという指摘(カトー主義)。とはいえ、産業化が進むと現実的には維持不可能で最終的には淡い郷愁のような残骸になると著者は想定している。そうだろうか?「科学の知見やグローバルな価値観を否定して土着の価値や手に持つ仕事をもてはやす」、それって最近アメリカで流行っているやつではないかしら、などと思った。

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    2021年05月24日
  • 独裁と民主政治の社会的起源 近代世界形成過程における領主と農民 上

    Posted by ブクログ

    近代化の結果の統治体制が、A.議会制民主主義、B.ファシズム、C.共産党独裁、のどれになるかに対して、農村部の住民(地主と農民)がどのような役割を果たしたかに着目した古典的論考。
    上巻では、イギリス、フランス、アメリカ(全てAの体制)と、アジアのうち中国(C)の章を収録。
    農村部の旧来の権威がどのように破壊されるかがポイント、という元も子もない話。イギリスでは囲い込みで破壊、フランスでは革命で破壊、アメリカは入植地なので事情が特殊。アメリカの西部は家族農業なので権威は弱く、南部のプランテーションが上下構造のある農村社会にあたり農園主が権威。これを破壊したのが南北戦争。
    ちょっと興味深いのは、イギリスでは囲い込みにより「非暴力的」に農村社会の破壊が行われたにもかかわらず、それによる農民への負の影響は暴力革命と遜色ないと強く指摘されていること。ここに著者の個人的意思がみえる。
    中国の章では、そもそも書かれた時代に中国の農村部の状況をここまでよくぞ調べたなぁという感嘆がある。その上で、同じ東アジアである日本との全くの違いに驚く。古来から中央集権の官僚制で派遣される役人が農村部で政府の代理をしていたため、そもそも農村部に社会的な上下関係が脆い。そこに日本軍による抑圧が加わることで、共産党が反日というモチベーションを使用して社会的なつながりを「創出」したという話。書かれた時点では、そのあと、中国共産党がどう進んでいくか不明だったわけで、結局は資本主義の注入によってしか収奪と高度成長が果たせなかったという顛末を知っていると感慨深い。

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    2021年05月13日
  • 独裁と民主政治の社会的起源 近代世界形成過程における領主と農民 下

    Posted by ブクログ

    民主政治の起源について、地主と農民に主眼を置いて研究した本。地主や農民が主体となって革命を起こし民主政治が生まれたとする流れを基本とし、英仏米日中印についてそれぞれ同じ切り口で分析している。地主と農民を調査しただけでは説明のつかない部分が大きいと感じた。社会の体制は政治を中心とした権力争いの構図が大きく、農民の影響力は小さいことが多いのではないか。
    「明治維新直前の武士の人数は、その家族も含めて200万人前後、つまり総人口の十六分の一と考えられている」p16
    「(農村内の強い絆)あらゆる兆候から見て前近代の日本の村落共同体は、顕在的・潜在的不満を持つ個人を結合させ統制する、きわめて強力な機構であった。また、領主・農民層間の公式・非公式の統制回路も、きわめて効果的であったように思われる」p62
    「インドでは日本のように、経済的余剰を工業発展の基盤として用いる新しい民族エリートの支配が実現することはなかった。むしろインドでは、、外国人征服者、地主、金貸しが、この余剰を吸い上げて消費した。その結果、インド経済は、イギリス統治期を通じて、また今日まで至るまで、停滞状況を続けているのである」p135
    「デーシーつまりインド固有の鋤やその他の用具は、千年前のものと本質的には変わっていない」p203
    「(ガンジーのスワデシー)身近な隣人の作ったもののみを用い、欠けているところがあれば効率を上げ、より完全にすることによって、身近にある産業に貢献する」p223
    「(ガンジーの私的所有の寛大さ)国家による所有は私的所有よりも良いが、それは暴力によって達成されるものであるから好ましくない」p225
    「(経済のあるべき姿)農業で生活している人々に経済的な刺激と政治的な強制とを組み合わせた手段で生産性を向上させ、同時にそうして作られた余剰の相当部分を、産業社会建設に振り向けること」p242
    「近代化の過程は失敗した農民革命とともに始まり、成功した農民革命によって20世紀に頂点に達する」p347
    「ブルジョワがいなければ、デモクラシーもないのである。農民は古い建物を破壊するためのダイナマイトを供給してきた」p532
    「(本書への批判)①国家や国際関係が十分扱われていない ②政治制度や組織が軽視されている ③思想、イデオロギー、アイデンティティの役割が重視されていない ④中小国の意義が認められていない」p540

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    2019年11月05日
  • 独裁と民主政治の社会的起源 近代世界形成過程における領主と農民 上

    Posted by ブクログ

    著者は序文で「我々は資本主義デモクラシーにいたるブルジョワ革命、ファシズムに至る失敗したブルジョワ革命、共産主義に至る農民革命の、各々における、地主上層階級と農民層の役割を明らかにし」p18と述べているとおり、農業社会に焦点を当て、農民社会から独裁政治や民主政治、共産主義への変遷について、イギリス、フランス、アメリカ、中国について調査研究し述べたもの。それぞれの国を比較し、その違いは理解できるが、民主主義の成立を述べるにあたり、農業社会を調べることが適切なのかが疑問。
    「資本主義社会で掲げられる原則は、私有財産を自らの蓄財のために無制限に利用することが、市場のメカニズムを通じて必然的に、社会全体にとっての富と福祉を着実に増すというものである。イギリスでは後に結果的に、この精神が合法的かつ平和的な方法で勝利を収めることになった」p47
    「(イギリスがデモクラシーへの道を歩みえた原因)過去における暴力の遺産、すなわち、相対的に強力かつ独立した議会、自らの経済基盤をもつ商工業利益、深刻な農民問題が存在しなかったこと」p73
    「イギリスがデモクラシーが発達するにあたって決定的な役割を果たした主要因として、まず、地主であるジェントリー及び貴族層が国王から自立していたことが挙げられる。次に、強力な自らの経済基盤を持つ商業・手工業階級の成長に対応するためにも、彼ら地主階級は商業営利的農業を採用した。そして、農民問題は消滅していた。一方、フランス社会はこれと全く異なる経路をたどって近代社会に入っていった」p75
    「(1860年までのアメリカ社会の形態)綿花栽培に基礎をおく南部、自由な農場主の西部、急速に産業化した北部」p186
    「1849年には、綿花の全収穫高の64%が外国、主にイギリスに輸出された」p187
    「中国の地主上層諸階級の中には、帝政に対する重要な原理的反対派に発展した者は、全くいなかった」p277
    「政治体制の社会的基盤が中国には欠落していた」p282

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    2019年09月27日

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