エヴァ・ビョルク アイイスドッティルの作品一覧
「エヴァ・ビョルク アイイスドッティル」の「軋み」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「エヴァ・ビョルク アイイスドッティル」の「軋み」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
Posted by ブクログ
アイスランドが舞台のミステリー。
アーナルデュル・イントリダソンのエーレンデュル捜査官シリーズが大好きで、同じアイスランド作品ということでワクワクして読みました。
本作は都会レイキャビックから故郷の田舎町アークラネスに訳ありで戻ってきた女性捜査官が主人公です。
もうその設定だけで、町の閉塞感と人間関係の濃厚さが想像できて息苦しくなってきます。
死亡した女性の過去を遡るにつれて、被害者と加害者が入り交じって曖昧になって行くように感じました。最後、ちょっとスッキリしないのは悪いのは犯人だけなのか?という問いかけなのかも知れません。次回作に期待も込めて星4を付けました。
Posted by ブクログ
最近ハマっているアイスランドのミステリー。
最初はなかなか覚えられなかったけど、人の名前も地名も、最近なんとなく馴染んできた感じがする。
主人公のエルマはレイキャヴィークの警察で働いていたが、生まれ故郷のアークラネスに戻ってきた。長い間付き合っていた恋人と別れたことがその原因みたい。エルマは今でもその恋人のことが忘れられない。ついつい電話やメールをしたくなる衝動を抑えつつ(決して彼は反応してくれないのだが)新しい職場に馴染もうと努力している。
アークラネスは小さな町で人口も少ない(ここアイスランドは、首都であるレイキャヴィーク以外のすべての町は人口が少ないようだ)。そこに住む人たちはたいてい顔見知りだから、エルマは色んな人に「戻ってきたのね」と声を掛けられるが、彼女にとってはそれは苦痛でしかない。
エルマが赴任してきてしばらくして、小さな灯台の近くで女性の死体が発見される。その殺人事件をめぐる話。
小さな町にありがちな、狭い人間関係。誰もが逆らえない地元の有力者。過去と現在が交錯するストーリー。どこかで読んだことがあるような、よくある話のように思えるが、主人公のエルマが人間的に魅力的だと思えたことと、その家族がとてもよい関係性であることなど、メインとなる登場人物がとても上手く描かれていて、面白く読み進めることができた。
ただ、事件の結末があまりはっきりしないためモヤモヤが残ったのと、被害者の人物像があまりはっきりしなかったことがちょっと残念。エルマの恋人のエピソードもはっきり語られていなかったため、もしかしたら続編があるのかもと、余韻を残す終わり方だったため、かなり期待している。
Posted by ブクログ
エヴァ・ビョルク・アイイスドッティルの刑事エルマシリーズ。アイスランドの作家さん。名前難しいなーと思ったら、アイスランドの苗字は男性は最後にソン、女性はドッティルがつくらしい。英語のsunとdaughterか。
想像どおり、北欧系の暗く冷たい雰囲気の小説。
レイキャビークの近くのアークラネスという街が舞台だが、人口も少なくほとんどが知り合い同士といった、閉鎖的な田舎の雰囲気が息苦しい。
正直、星3よりの星4。というのも、事件自体は勝手に解決するから笑
エルマたちの操作はなんだったのか。。。というほどに、過去の出来事の一部を明らかにしただけ。
全容は読者にしか明かされない(それすらも不透明なところあり)。結末もモヤモヤする。
アイスランドの雰囲気を感じる小説かなぁと。名前以外はものすごく読みやすかったし。
ただ最後の最後に明かされる事実は驚いた。そういうこと!?ていう感じ。
次作もあるらしく、翻訳されることに期待。
Posted by ブクログ
寒いっ アイスランドの閉塞感が漂う小さな港町。故郷に戻ってきた女性刑事がひた向きに奔走する #軋み
■あらすじ
幼年期から過ごした地元を出て別の街で勤務していた女性刑事だったが、とあるきっかけで故郷に戻った。地元警察で職を得たが、間もなく殺人事件が発生。小さな街の観光地である灯台で女性の死体が発見される。
アイスランドの小さな村落の発生した事件を女性刑事は解決できるのか…
■きっと読みたくなるレビュー
アイスランドの小さな海辺の田舎町、寒く、寂しい舞台。
さらに犯罪の陰がずっと背景に見え隠れし、これも冷たい雰囲気をかもし出す。
寒っ! 冬は嫌いなんですよね。寒い寒い寒い。
とはいえ、小説は寒くないですよ。なかなか面白いです!
海外の警察小説といえば、やたら骨太な刑事が出てきて、凶悪な犯人による猟奇的殺人が発生する。主人公の刑事は警察内部と喧嘩しつつも、他の刑事にない圧倒的な強みを発揮して解決に導いちゃうのがありがち。
しかし本作の主人公は特段強みもない普通の刑事。むしろ人並みの家族や友人、悩みをもつ女性。そんな彼女が小さな街の大きな事件に翻弄されていく。
彼女が様々なことを思い悩みながらも、実直に事件に向き合っていく姿がめっちゃ可愛いの! ぐっと手に汗を握って応援しちゃう。
また彼女の周りにいる人たちも愛情あふれる人が多くて素敵なんですよね。
ただし犯罪の内容については、良いも悪いも不快感が抜群。
真相が徐々に見えてくるにつれ、腹立たしい思いで怒りに手が震えました。
北欧ミステリーらしい、全編通して暗い世界観で綴られた作品ですが、登場人物たちは温かい人々の描写も多く、しっとりと読める内容でした。
■推しポイント
事件発生!大規模な捜査網で解決! という感じでは、全くありません。
数人の刑事が小さな街の人間関係を紐といて、少しずつ真相に近づいていく。過去の出来事の魅せ方も上手く、じわじわ進行していくプロットが素晴らしかったです。
アイスランドの新人作家さんの作品とのことで、こんな本を読めてありがたい。翻訳者と出版社に感謝。次回作もあるようですので、引き続き追っていきたいと思いました。
Posted by ブクログ
アイスランド発ミステリが翻訳されるのは実は奇跡的なことである。アイスランドと言えば、ラグナル・ヨナソンがここのところ沢山邦訳されてきたことで注目される。新たな北欧ミステリーの産出国としてその活躍が目立ち始めた国である。
アイスランド国民は36万人しかいないので、アイスランド語での小説では食ってゆけないそうである、それゆえ、英国のミステリー賞を獲得することで英語に翻訳されるところから小説家としてのスタートを切れることになる。世界への拡散のスタート地点に立つことが何よりも肝心なのだ。おそらく突破すべきは狭き門だと想像される。
だからこそ日本語にまで翻訳され、そうした紆余曲折をクリアしてまでも、手元に届いれくるアイスランド産ミステリーというのは、相当の価値が見込まれる作品と言える。
繰り返すがアイスランドの人口は多く見積もっても36万。ぼくの住む北海道で言えば札幌市の人口が195万人。北海道第二の都市である旭川はぎりぎり34万と言えば、アイスランドの過疎度はご理解頂けるかと思う。アイスランドは、フィヨルドの多い海岸沿いに一周することができるようだが、中央山岳部には人が住むことができないようだ。ラグナル・ヨナソン作品ではここを舞台に因縁の物語が語られているが、作中では嫌というほど暴風雪の恐ろしさを感じさせてくれる。
その代わり、緯度がアラスカ並みなので、本作中ではオーロラが何と言うこともなく観られたりするところは何とも羨ましい。ちなみにぼくはカナダ、ホワイトホース(アラスカと同じ緯度)でオーロラをたっぷり観てきたのでその緯度の大自然度は体感しているけれど。但し春先だったので、小説の登場人物たちに言わせればまだまだ甘いと言われかねない。
さて本作の舞台はレイキャヴィークから車で北に45分の距離にあるアークラネスという海辺の街。事件などはめったに起こることがないが、珍しいことに灯台の足元の海岸に不審死を遂げた美女の遺体が発見されたことから、昔この地で生き、海難事故をきっかけにバラバラになってしまった漁師一家の記憶が蘇る。村に帰ってきた美女、と古い記憶。
この作品のヒロインであるエルマもまたレイキャヴィークから里帰りした一人である。彼女は、過去の記憶を発掘しながらこの事件の捜査に取り組もうと他の二人のスタッフとともに足掻く。この街に君臨する権力者ファミリーの過去に届こうとすると、複雑な人間関係図が過去から浮かび上がってくる。
階段の軋みを聴きながら身を震わせる少女という冒頭のシーンが、作品全体に影を落とす。北欧ミステリーらしい美しき海辺の小村に展開する人間たちのドラマ。スピーディで読みやすく、圧倒される傑作ミステリー。三作までが既に書かれているという。次作の翻訳が待ちどおしい作家の登場である。