エンジニアが学ぶ金融システムの「知識」と「技術」 第2版
著:大和総研フロンティア研究開発センター
出版社:翔泳社
昨今の金融システムの動向を確認したくて本書を手にしました
・貪欲な資本主義の代表である、超高速取引など、金融取引の最先端は常に、ITの進歩にささえられています。
・IBM、日立、富士通が中心である、汎用機の時代は終わり、オープン化の時代を迎えています。
・海外、とくに、中国での少額取引、送金システム、コード決済は、手数料ビジネスに大きな影響を与えています。
・決済の多様化、電子マネー、ポイント、キャッシュレスは、ますます、複雑な開発を強いられています。
本書は、用語集であり、辞書的なやくわりにて、その周辺の情報を、読者に開いてくれています。
図表がたくさん掲載されていますので、流れや比較などがしやすいとかんじました。
膨大な領域をカバーするには、粒度が粗いとおもいましたが、索引を含めて、外部へアクセスすることをお勧めします。
これまでの歴史、業務、技術など、いろいろな視点になって、金融システムを見直してみる必要があると感じました。
金融の機能
①決済 銀行、決済代行、暗号資産、金融商品取引清算
②資金供与 銀行、貸金業者、証券業者
③資金運用 証券、投資信託、投資顧問、信用格付、証券取引、金融商品取引清算
④リスク移転 保険、証券、銀行
取引決済のプラットフォーム、金融インフラ
①統合ATM ②全銀システム ③日銀ネット
④CAFIS ⑤決済照合、清算 ⑥株券電子化
金融システムの業態
①銀行=バンキング:メガ、地銀、信金、信組、労金、農協、郵貯 等
・顧客チャネル(ATM、銀行窓口、インターネットバンキング、コールセンター)
・周辺系(営業店、ダイレクトチャネル、事務集中、顧客管理、リスク管理、AML(マネロン))
・基幹系システム(預金、貸付、為替、対外接続系、国際系、資産管理)
・情報系(DWH,CIF)
②クレジット
・国際ブランド
・イシュア
・アクワイアラ
・決済代行
・加盟店
・オーソリ
業務系
・会員管理
・売上管理
・与信
・加盟店管理
・取引管理
・ポイント管理
・不正検知
・債権管理
・カード発行
③少額決済(コード決済)
・CAFIS
・CARDNET
・ことら
④証券
・発注システム
・約定システム
・決済システム
・株式
・債券
・投信
・デリバティブ(先物、オプション、スワップ
⑤投資信託
・投資信託
・投資顧問
・投資一任業務
・投資助言業務
・発注約定:注文管理
・追加解約
・残高・基準価額計算
・基準価額連絡
・レポーティング
⑥保険(生保、損保)
・生命保険(終身、定期、養老、学資)
・損害保険(自動車、火災、旅行、傷害、海上)
・障害疾病(がん、医療、介護)
・保険商品の開発
・募集、引受
・給付
・資産運用
金融ITに関して
・金融DX
・ESG投資
・クラウド化
・データサイエンス
・ブロックチェーン
・サイバーセキュリティ
IT技術
・AI:機械学習
・デジタルマーケティング
・ロボアドバイザー
・アルゴリズム・トレード
・HFT:超高速取引
・ビットコイン、NFT、トークン
・暗号資産
・ステープルコイン
・CBDC
開発手法
・ローコード
・XR(VR,AR,MR)
・5G
・量子コンピュータ 等
目次
はじめに
第1章 金融ビジネス、金融ITの変遷と現状
1-1 金融とは?
1-2 金融サービスの提供
1-3 金融ビジネスの転換点
1-4 金融ビジネスの再構築
1-5 金融システムの相違点と共通点
1-6 金融システムのシステム化ニーズ
1-7 金融システムの発展と金融システムの構造
1-8 金融システムの近代化
1-9 金融システムのクラウド化の歴史
1-10 データサイエンスによる金融ビジネスの変化
1-11 新たなシステム構築技術と運用技術
1-12 システムの変化により求められる人と組織
第2章 金融業界のシステム
2-1 銀行のシステム
2-2 クレジットカード会社のシステム
2-3 少額決済・送金のシステム
2-4 証券会社と取引所・決済機関のシステム
2-5 投資会社のシステム
2-6 保険会社のシステム
第3章 金融ビジネスを支えるデータサイエンス手法
3-1 金融ビジネスとデータサイエンス
3-2 機械学習の基礎
3-3 機械学習の評価
3-4 表形式データに対する機械学習
3-5 テキストデータに対する機械学習
3-6 画像データに対する機械学習
3-7 音声データに対する機械学習
3-8 汎用AIへつながるマルチモーダル機械学習
3-9 AIモデルの予測精度を向上させるための技術
3-10 ビジネスに効果の最大化をもたらす最適化
3-11 機械学習モデルを組み込んだシステムの運用
3-12 機械学習モデルを活用するインフラ
3-13 データとAIを活用するための人材・組織
3-14 倫理的なAIの開発・利用とプライバシー保護
第4章 データサイエンスによって実現される金融ビジネス
4-1 顧客分析とパーソナライズドレコメンド
4-2 Web広告の最適化
4-3 個人ローンにおける与信審査
4-4 企業融資における与信審査
4-5 金融に関わる不正検知とAI活用
4-6 資産運用・ロボアドバイザー
4-7 トレーディング手法の多様化
4-8 保険業におけるデータサイエンスの活用
第5章 デジタル資産とブロックチェーン
5-1 ブロックチェーンとは?
5-2 ブロックチェーンの歴史
5-3 ブロックチェーンの分類
5-4 イーサリアムの歴史とその特徴
5-5 Cordaの特徴
5-6 GoQuorumの特徴
5-7 Hyperledger Fabricの特徴
5-8 さまざまなパブリックブロックチェーンとその関連技術
5-9 暗号資産の概観と今後
5-10 ステーブルコイン・CBDCの発展と動向
5-11 STO・IEO・INOによる資金調達
5-12 分散型金融の概観と今後
第6章 金融業界におけるサイバーセキュリティ
6-1 サイバーセキュリティの概観
6-2 サイバー攻撃の動向
6-3 サイバー攻撃への対策
6-4 サイバー攻撃を防ぐ技術
6-5 注目すべきサイバーセキュリティの動向
6-6 わが国のセキュリティ推進体制
第7章 その他の注目すべき技術と金融ビジネス
7-1 ITの内製化を促進するローコード開発
7-2 新たなUXを表現するXR・メタバース
7-3 産業・社会基盤としての活用が期待されるシステム「5G」
7-4 量子コンピュータの概要と展望
索引
参考文献
執筆者一覧
ISBN:9784798180908
判型:A5
ページ数:424ページ
定価:2800円(本体)
2023年11月13日 初版第1刷発行