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  • 死を招くファッション―服飾とテクノロジーの危険な関係
    4.5
    19世紀から20世紀前半、欧米諸国の衣服や装飾品のデザインや素材には、科学技術の進歩によって革新的なものが生まれ、流行してきた。いつの時代も、その当時の最新技術によるファッションは、悲惨な出来事を引き起こした。本書は、それらを取り上げて、歴史的・社会的背景や、科学的側面とともに示す。それらの出来事に巻き込まれざるを得なかった人々の悲劇的エピソードは、それぞれが胸に迫る。そして、同様の問題は現在も存在することが、具体的な事例とともに指摘される。美しい色や贅沢な装飾の服、帽子、装飾品などの写真と、それらにまつわる悲劇との対比が、たいへん印象的である。

ユーザーレビュー

  • 死を招くファッション―服飾とテクノロジーの危険な関係

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    もうなんかね、いろっいろ黒歴史に充ち満ちているのですよ。興味深いけど、闇も深い…!
    現代の事例も結構あって、海外の著者さんですが日本での出来事も幾つか取り上げられてます。
    一時期流行った超厚底靴とかね!

    ヒ素由来のグリーン、ドレスも子供服も手袋も200年くらい前の物でも綺麗に色が残ってました。
    これは着用者より製造側の労働者にかなり被害が出ていたそうですが、気に入ってよく着ていれば影響無しとはいかなかったでしょうね。
    服飾品以外にも壁紙やファブリックや家に塗る塗料・お菓子に使う食紅・画家(ゴッホやゴーギャンなども使用)が使う絵の具・造花を染める染料、果ては子供用のおもちゃにまで使われていて、

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    2022年09月01日
  • 死を招くファッション―服飾とテクノロジーの危険な関係

    Posted by ブクログ

    主に18〜20世紀にかけてのファッションにまつわる怖いお話です
    古くはシラミを媒介する軍服や裾を引きずり街中のホコリ(や病原菌そのたあらゆるもの)を家の中に誘い込むスカート、毒を持つ緑色、つくる人もかぶる人も殺すフェルト帽子、履いた人の皮膚がただれる靴下、長く垂れ下がるファッショナブルなそれでいて都市生活には不向きなスカーフ、など危険で魅力的なファッションについて論文並の内容がそろってます。

    一方現代では自分が履いてるパンツ1枚、材料はどこから来て誰がどんなところで縫製し、ここまで運ばれてきたかわからなくなってしまいました。現代はこういったファションの危険性が非常に見えにくくなっています。

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    2022年07月16日
  • 死を招くファッション―服飾とテクノロジーの危険な関係

    Posted by ブクログ

    これはジャケットプラステーマ買い。


    今写真で振り返っても美しいドレスや帽子にまとわりつく暗い陰。
    服飾売り場で買ったものを無条件に信じ、着ている。
    まさか着衣しただけで、あるいはうっかり口にくわえてしまっただけで、彼岸にいってしまうなんて誰が思うだろう。

    この本のおもな舞台は19-20世紀前半のパリやロンドンなどの大都市だ。
    悪質な環境で害のある化学繊維を使って作業せざるをえなかった労働者。
    炎が明かりとして身近にあったからこそ、燃え移って火だるまになるレーヨンやモスリン素材。

    メインテーマではないか、動物たちの搾取によってつくられる装飾や毛皮、剥製の数々。

    そして、それらは現代にま

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    2022年03月27日
  • 死を招くファッション―服飾とテクノロジーの危険な関係

    Posted by ブクログ

     過去のおしろいに鉛が含まれていたというのは知っていたけれど、それだけじゃない。鮮やかな緑のドレス、ふんわりとしたレース、裾を引きずる優雅な長いドレス。図表や絵画をふんだんに使い、目にも美しく、そして恐ろしく死を招く姿が想像できる。
     ドラマティックなだけでなく、事実を述べるだけではなく、読んでいて楽しく面白いのがうれしい。

     現代を生きる私たちも、ふとした拍子にファッションが要因で死ぬ。マフラーやストールを何かに巻き付けて窒息したり、厚底の靴で階段から転げ落ちたりと、当たり前のように日常に危険は潜むのだ。そしてサプライチェーンリスク。身に着けるもの、口に入れるものが安全じゃないと誰が保証し

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    2021年08月02日
  • 死を招くファッション―服飾とテクノロジーの危険な関係

    Posted by ブクログ

    『鏡の国のアリス』の気狂い帽子屋の由来が、帽子の製造工程で使われた水銀にあることは知っていたけれど、その背景についてまで深くは知らなかった。この本では、当時の衣服や装身具の写真や、絵画等に描かれた様子を含めて、詳細に語られている。そして、他にも染料などによる被害も、それを作る労働者と、身に着ける使用者のそれぞれがどのような危険に晒されていたのかを詳細に説明している。コストを低く抑えたい経営者の都合で、健康被害の認識や周知が遅れることも多い。一方で、使用者側も、礼儀上必要な装身具だったり、あるいは流行だからと言う理由で身につけて、死亡した例も少なくない。読んでいて、最近のKuToo運動を思い出し

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    2020年09月26日

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