今は本当にエンジニアを採用できない。今なぜその状況なのか?背景から具体的な対策まで非常に参考になる。
まさにタイトルに「マニュアル」が付くだけあって、即活用できる内容だった。
実際に今現在、エンジニア・デジタル人材を中途採用で獲得することは相当に難しい。
それら人材へのアプローチ自体もそもそも難しい
...続きを読むが、たとえ優秀な人材に巡り合えても、ギャラの面で折り合うのだろうか。
さらに入社に至っても、自社の組織文化にフィットして活躍してくれるのだろうか。
こういう点を勘案すると、例え教育コストがかかっても新卒採用に特化した方が良いことは理にかなっている。
それではどうやって新卒エンジニアを採用していくのか。
担当としてはついつい焦ってしまい「出来る手段は何でもやってみよう」と徒手空拳の状態で採用計画を組み立ててしまう。
やることを盛り込み過ぎてしまい、人事採用担当は息つく暇もない。
焦りながら作業をしても、冷静な判断が出来なくなってしまうだろう。
結果、かけた労力の割には成果が得られにくい。
まさに本書で掲げているのは「どこに狙いを定めるか?」ということだ。
戦略的に「選択と集中」をすることで、確実に採用し、確実に育成し、戦力として仲間を増やしていく。
前半のマニュアルを読んでおくことで、後半の具体的企業の採用担当者の言葉が深く刺さる。
まさに「なるほど」と膝を打った。
大きな話で言えば、小学校からのプログラミング教育開始などもある。
やはり国家単位でデジタル化に取り組んでいかないと、この国の未来は益々厳しいものになっていくだろう。
今の小学生が大人になるまでに10年以上はかかる訳であるが、話はそんなに単純ではないと思う。
「学校で教育し、企業が利用する」
そういう都合の良い事はあり得ない。
技術は益々進化する訳なので、学校で教えることはあくまでも基礎的な部分。
もしかするとプログラミングよりも、数学の理解だったり科学の理解の方が大事なのかもしれない。
企業は企業で、教育に相当なコストをかけていかないと、競争力が維持できない。
これは中小企業は益々厳しいのかもしれないが、逆に今は安価なeラーニングの活用だったり、中小企業ならではの濃密な人間関係や子弟関係で、教える環境を整えている会社もあると聞く。
学生でありながらも、各種ハッカソンやプログラミングコンテストで優勝するようなトップオブトップの学生は、普通の企業で採用するのは難しいだろう。
だから2番手3番手を効率よく狙っていく訳だ。
もしかするとテック人材としては物足りなさを感じるかもしれない。
しかしながら、1番手はそもそも倍率も高過ぎて採用できる訳がない。
そこを割り切って、入社後に教育研修で育て上げる覚悟を持てるかどうか。
さらに言うと、教育研修プログラムをしっかりと組むことで、好循環を作れるかがポイントだ。
これは当然に採用担当者だけの力ではどうしようもない。
「2~3番手のテック人材を採用」→「育てる」→「能力も見極めつつ」→「数年後は逆に講師側になって、新人を教える」→「教えることで、自らも育つ」
途中途中でインターンシップや、社内のテックイベントに学生を呼び込んだり、様々な施策を打っていく。
とにかく口を開けて待っているだけでは学生は絶対に採用できない。
さらに採用だけ行っても、しっかりと育てなければ、採用コストはすべて水の泡だ。
今後は「如何に伸びしろを見極めるか」も重要になるだろう。
ひとまず当社の採用については、このマニュアルを実践するところからの開始である。
やってみなければ先はない。前に進むだけだ。
(2022/11/28)