【感想・ネタバレ】ゼロからわかる新卒エンジニア採用マニュアルのレビュー

あらすじ

競争率の高いエンジニアは、中途採用より新卒採用で採れ!
いい人材を効率よく見つけ確実に採用する方法

採用の現場では、
転職を希望するITエンジニア1人を、10社の企業が取り合っている状況です。
ITエンジニアの採用となると、
多くの企業は即戦力となる経験者を採用すればいいと考えていたり、
仕事そのものを外部の会社に業務委託していれば
なんとかなると考えていたりするケースも少なくありません。
しかしこのままでは、エンジニアの採用コストが上がるとともに、
今後のさらにエンジニア採用が難しくなるでしょう。

●DX化に成功する企業は新卒採用に力を入れている

私は、大手広告代理店を経て、
ベンチャー企業の採用担当として採用活動にかかわったのち、
株式会社サポーターズを創業し、
これまでにIT領域を中心として1000社を超える企業の採用支援をしてきました。

その中でわかったのは、DX化に成功する企業、
新しいサービスを次々と生み出し発展する企業は、
新卒エンジニア採用の重要性に早く気づき、
エンジニア人材確保への投資を積極的に行っているということです。

本書では、
7万人以上のエンジニア学生の就職活動を支援し、
約1,000社の採用支援を行ってきた実績をもつ著者が、
新卒エンジニア採用のノウハウを伝授。

エンジニア学生の市場環境からターゲット層の絞り方、
採用時期、採用手法など、ITベンチャーから大手企業まで、
採用・人事担当者であれば知っておきたい内容がつまった1冊。


■目次

●第1章 技術力×志向性で自社に合うターゲットを見極める
・企業が狙いたいのは「自ら考えて、自らモノを創る人」
・モチベーションは志向性で判断できる
・人に価値を提供したい「ユーザー志向」
ほか

●第2章 効率的な採用活動をするための5つのステップ
・採用の成功には社内体制構築がカギ
・社内の人に新卒ITエンジニアの必要性を理解してもらう
・押さえておきたい新卒エンジニア採用のスケジュール
ほか

●第3章 入社したいと思わせる会社の魅力の伝え方

■著者 楓博光(かえで・ひろあき)
株式会社サポーターズ代表取締役。
慶應義塾大学経済学部卒。 在学中に、就活支援を行う株式会社
レセオを仲間とともに創業。 2007年に大学卒業後、大手広告代理店に入社し、営業を担当。
その後、ベンチャー企業の人事を経て、2012年に株式会社サポーターズを創 業。
2018年には親会社である株式会社VOYAGE GROUP(現・株式会社CARTA HOLDINGS/東証プライム上場)の執行役員に就任。
現在はエンジニアを目指す学生を抱える国内最大の採用支援サービスを運営するかたわら、
未来の“技”術者を“育”てる「技育プロジェクト」にも取り組む。
これまで7万人を超えるエンジニア学生の就活、約1000社の新卒エンジニア採用を支援している。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

今は本当にエンジニアを採用できない。今なぜその状況なのか?背景から具体的な対策まで非常に参考になる。
まさにタイトルに「マニュアル」が付くだけあって、即活用できる内容だった。
実際に今現在、エンジニア・デジタル人材を中途採用で獲得することは相当に難しい。
それら人材へのアプローチ自体もそもそも難しいが、たとえ優秀な人材に巡り合えても、ギャラの面で折り合うのだろうか。
さらに入社に至っても、自社の組織文化にフィットして活躍してくれるのだろうか。
こういう点を勘案すると、例え教育コストがかかっても新卒採用に特化した方が良いことは理にかなっている。
それではどうやって新卒エンジニアを採用していくのか。
担当としてはついつい焦ってしまい「出来る手段は何でもやってみよう」と徒手空拳の状態で採用計画を組み立ててしまう。
やることを盛り込み過ぎてしまい、人事採用担当は息つく暇もない。
焦りながら作業をしても、冷静な判断が出来なくなってしまうだろう。
結果、かけた労力の割には成果が得られにくい。
まさに本書で掲げているのは「どこに狙いを定めるか?」ということだ。
戦略的に「選択と集中」をすることで、確実に採用し、確実に育成し、戦力として仲間を増やしていく。
前半のマニュアルを読んでおくことで、後半の具体的企業の採用担当者の言葉が深く刺さる。
まさに「なるほど」と膝を打った。
大きな話で言えば、小学校からのプログラミング教育開始などもある。
やはり国家単位でデジタル化に取り組んでいかないと、この国の未来は益々厳しいものになっていくだろう。
今の小学生が大人になるまでに10年以上はかかる訳であるが、話はそんなに単純ではないと思う。
「学校で教育し、企業が利用する」
そういう都合の良い事はあり得ない。
技術は益々進化する訳なので、学校で教えることはあくまでも基礎的な部分。
もしかするとプログラミングよりも、数学の理解だったり科学の理解の方が大事なのかもしれない。
企業は企業で、教育に相当なコストをかけていかないと、競争力が維持できない。
これは中小企業は益々厳しいのかもしれないが、逆に今は安価なeラーニングの活用だったり、中小企業ならではの濃密な人間関係や子弟関係で、教える環境を整えている会社もあると聞く。
学生でありながらも、各種ハッカソンやプログラミングコンテストで優勝するようなトップオブトップの学生は、普通の企業で採用するのは難しいだろう。
だから2番手3番手を効率よく狙っていく訳だ。
もしかするとテック人材としては物足りなさを感じるかもしれない。
しかしながら、1番手はそもそも倍率も高過ぎて採用できる訳がない。
そこを割り切って、入社後に教育研修で育て上げる覚悟を持てるかどうか。
さらに言うと、教育研修プログラムをしっかりと組むことで、好循環を作れるかがポイントだ。
これは当然に採用担当者だけの力ではどうしようもない。
「2~3番手のテック人材を採用」→「育てる」→「能力も見極めつつ」→「数年後は逆に講師側になって、新人を教える」→「教えることで、自らも育つ」
途中途中でインターンシップや、社内のテックイベントに学生を呼び込んだり、様々な施策を打っていく。
とにかく口を開けて待っているだけでは学生は絶対に採用できない。
さらに採用だけ行っても、しっかりと育てなければ、採用コストはすべて水の泡だ。
今後は「如何に伸びしろを見極めるか」も重要になるだろう。
ひとまず当社の採用については、このマニュアルを実践するところからの開始である。
やってみなければ先はない。前に進むだけだ。
(2022/11/28)

0
2022年12月13日

「ビジネス・経済」ランキング