作品一覧

  • 小説 西海屋騒動

    小説 西海屋騒動

    小説・文芸

    3.0
    1巻1,540円 (税込)
    人生そのものが 博打なんだよ 転がる賽に金は生えぬ 罪深き人 欲求は満たされる事を知らない ――――柳亭左龍 てめえらは、何度俺から奪えばそれで気が済むんだ。 軽井沢の有名旅籠の次男として育った理吉。裕福な環境で恵まれた生活を送っていたものの、なぜか家族との距離を感じ、心はいつも満たされずにいた。そうした心の飢えを埋めるかのように兄・新吉のものをくすねては、新吉と喧嘩になる毎日。やがて新吉は侠の世界に飛び出すが、理吉は家業の手伝いをするのみ。旅籠の下働きの定丸に誘われるままに、博打を覚えたがために家を追われ、西海屋に流れ着く。番頭の慶蔵のもとで頭角を現すが……業と欲に呑まれ、因縁に絡み取られていく―― 因果と侠の中で揺れ、流転と転落の男の物語――小説 古典落語シリーズ第4弾! 松浦シオリ・装画
  • イキでイナセな江戸ことば

    イキでイナセな江戸ことば

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻968円 (税込)
    「江戸ことば」には、潤いがある――多くの人々が暮らしていた世界有数の大都市、江戸。そこで磨かれたことばには潤いがあり、人間関係を豊かにする潤滑油の力があった。NHK大河ドラマ『べらぼう』出演+「江戸ことば」指導を務める現役落語家・柳亭左龍氏が、"ことばの楽しさ"を軽妙洒脱に紹介!「野暮」「おじゃん」…今でも使うあの言葉の由来から、「すっとこどっこい」「与太郎」…なんとなく憎めない言い回し、「べらんめえ」「しめこのうさぎ」…時代劇で耳にする江戸ならではの言葉まで。ぶっきらぼう、でも実は優しい。人情を大切にした江戸っ子たちの暮らしと心が見えてくる!

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ユーザーレビュー

  • イキでイナセな江戸ことば

    Posted by ブクログ

    ・柳亭左龍は柳家喬太郎の弟弟子かといふ程度の認識しかない人であつた。龍亭左龍「イキでイナセな江戸ことば」(知的生きかた文庫)を読んだ。さん喬は絶大な人気を誇る落語家であるが、弟子となると喬太郎ぐらゐしか知らない。この一門、師匠と総領弟子が有名でありすぎるのだらう。 そんな左龍の本があるのを知つた。江戸言葉の本であるといふので早速探して読んだ。左龍はNHKの「べらぼう」の江戸言葉の指導をしたらしい。春風亭一朝が江戸言葉指導をやつてゐたことは聞いてゐたが、もしかすると、現在は左龍がその任を果たしてゐるのだらうか。この人、千葉県柏市の出身である。最初の項目「べらんめえ」に母方の叔母が出てくる。この「人もすごかった。きりっとした、堅気ではない人で、隅田川に舟を浮かべて暮していた。たまに母に連れられて行くと、まるで喧嘩をしているような口調でしゃべるので、子ども心に怖かった。」(21頁)「べらんめえ」は江戸の罵り言葉の代表、それを地でいつた話し方をしたらしい。そんな中で育つたのだから江戸言葉の指導はお手の物であらう。本書の記述は、見出し語の次にその説明があり、それを使つた落語の一節がくる。最後にそれにちなむ話があり、これは落語そのものより、仲間の落語家の話が多く、上のやうな身近な人の話もある。いづれもちよつといい話の類で、ここだけでもおもしろい。落語に詳しい人なら、最初の見出し語の説明ぬきで、落語の使用例と最後の話だけを読んでもおもしろいかもしれない。私はその話を知つてはゐても、どのやうに使はれてゐるかまでは分からない、ある意味、中途半端な人間なので、落語の引用は短いと思ったりもする。ここが長すぎると面倒に思ふ人も多いだらう。「べらんめえ」には「長屋の花見」、「あたぼう」には「大工調べ」、「四の五の言う」には「掛取り」と続 く。言葉が分かつて、その語がどこに出てくるかが分かれば寄席三昧の人であらう。
    ・たまたま現在の頁には、笑組のゆたかあにさんと柳亭燕路の話が出てゐる。あにさんはネクタイを忘れて舞台で靴べらで代用したが……乗馬好きの燕路師匠は木曽馬に乗つて……といふ話である。高座での話はともかく、高座以外のだとこれは私達には知る術もない。左龍の目を通してであつても、これは貴重な話である。左龍自身のだと「これっぱかり」、ここは「お菊の皿」をやつた時の話である。「いくら手ばかり細く見せても、自分の体重ではやせこけた幽霊には見えなかった」(29頁)。「これっぱかり」の体重の噺家ならねといふのであらう。確かに左龍は重さうである。これなどはたとへ話としてどうかとも思ふのだが、左龍が正直なのでそこは良しとせねばなるまい。「横っつわり」は横座りであるが、ここに出てくるのが三遊亭丈二、「寄席の楽屋でも三遊亭丈二あにさんはたまに横座りに座ってゐる。」(五五頁)さうで、しかも「いまだにあにさんのバッグを開けるとキティちゃんやマイメロディちゃんのポーチが入っている。」(同前)さうである。丈二はちよつと変はつた落語家で、普通の格好でゐると、確かに落語家とは思へないやうな容貌である。それでもキティちゃんとは思はなかつた。これなどは、人は見かけによらぬものではなく、人は見かけによるものとでも言へようか。圓丈も変はつた弟子を何人も持つてゐたものである。かういふ落語家の裏話を紹介していかうと思へばまだできる。私は江戸言葉、つまり江戸東京の下町方言を知つてゐるわけではない。落語の中では、言葉が分からなくても、知らなくても何の邪魔にもならない。それもおもしろいが、これもおもしろいといふ書であつた。

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    2026年10月23日
  • 小説 西海屋騒動

    Posted by ブクログ

    いつも何かを求めていた。
    自分の出自を知ることになり、家を出た。
    兄の持ち物がいつも欲しくてたまらなかった。
    家族の中で孤独を常に感じていた。
    理吉は、胸の中に大きなブラックホールを飼い慣らしていたのだった。

    強いものに惹かれ、自分がそれに成り代わる。
    殺人を繰り返し、血で汚れた人生となる。

    殺伐とした内容なのだが、作者「谷津矢車」の筆の力で鉄の匂いの充満する物語が、愛情を常にほっし続けた人生の幕引きを、情緒たっぷりに仕上げている。

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    2021年06月28日
  • 小説 西海屋騒動

    Posted by ブクログ

    初代燕枝が新聞に連載した原作を元にした書き下ろし
    この落語は聞いたことがない。

    軽井沢の脇本陣の次男理吉は空虚感を持て余し、10歳で博奕に手を染めて勘当されて高崎の居酒屋の奉公人となるが、そこの主夫婦は理吉の実の母親を殺して奪った金で店を始めていて、娘”お柳”を博奕の借金で売り飛ばそうとしたため、理吉は主とヤクザを殺し、娘を連れて逃げるが、籠かきにだまされて追い剥ぎにあい、お柳は行方不明になる。
    魯心という僧に救われ、半年後に江戸の西海屋に奉公するが、やり手の番頭慶蔵の悪辣な片腕となる。主人を殺して遺児を追い出した慶蔵に憧れ、その女”お連”を寝取ったものの露顕し、理吉はお連をつれて房総に逃れ、黒旋風という二つ名のヤクザとして頭角を現し、9年ぶりに江戸へ戻って廻船問屋の主に収まる。
    しかし、お柳と再会しために店を失って追われ、お柳と逃げる途中で身を寄せた庵にいたのはお柳の母親で、主人殺しを責められたために殺すが、母親をかばったお柳も殺してしまう。
    大坂に逃れたあと、大磯に黒旋風が営む宿屋の噂を聞いて行ってみると、慶蔵が黒旋風になりすまし、お連と一緒にいた。ちょうどそこへ西海屋の遺児武松が仇討ちに来て慶蔵を討ち果たし、ついてきた魯心から理吉の父親を殺したのは自分だと告げられ、自分のように生き直せと言われるが、理吉は自分に刀を突き刺す。

    幕末の閉塞感のなか、満たされない思いの人々が、人を殺して血みどろで欲望へ走る物語。救いがなさ過ぎる。
    美人画の松浦シオリの装画が、美しくて悲しい。

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    2021年03月18日

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