笹澤豊の作品一覧
「笹澤豊」の「〈権利〉の選択」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「笹澤豊」の「〈権利〉の選択」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
"権利は尊重されなければならない"。
今日では自明視されているが、そもそも「権利」の思想とはどのような思想であろうか。そしてこの思想の根拠はどのようなものであろうか。この問いこそが、本書全体を貫く問題意識である。
一見迂遠のように見えるが、本書は先ず予備作業として、〈ライト〉の訳語に当てられた「権利」という語についての考察から始まる。〈ライト〉は「正しさ」や「正当性」を意味の中核に持つ語である。これに対し、「権利」の「権」は「力」、「利」は「利益」を意味しているが、このズレは何なのだろうか。幕末明治初期に西洋思想に邂逅し、その中で〈ライト〉の思想を導入することに与っ
Posted by ブクログ
武力闘争によって勝ち取られた「権利」が力を背後に持たざるを得ないという矛盾から考察を始め、「権利」あるいはこの日本語のもととなっているrightという言葉が担ってきた意味を歴史的・哲学的に解き明かしていく著作。著者の結論は、<ライト>の思想はその正当性の根拠を提示できない思想であって、これを絶対的な真理として受け取ることはできない、けれども、これは我々にとって絶対に必要な思想である、というものである。この結論を導き出す過程において、ロックからロールズまで、古典的な政治哲学・法哲学、さらにはそうした思想を日本に導入しつつ独自の解釈を加えていった福澤諭吉や加藤弘之らの議論とその限界が明快に論じられ