フッカーというポジションにいる堀江翔太。存在感のある選手である。身長180cm、体重105kg 。
ラグビーの試合を見ていると、小さくも見える。周りが身長がもっと高いからだ。180cm以上あるのだ。フッカーでありながら、キャプテンを務めたことがある。そのこと自体も素晴らしい。
存在感は、ラグビー
...続きを読むに対する思い入れと客観的に見ることができ、常に考えているからだろう。堀江翔太は「恥ずかしながら、最年長です」という。ふむ。恥ずかしながらがいい。
堀江翔太は、「ラグビーとは判断することだ」という。一人一人の現場での判断が一番重要なのだ。
現在、37歳。ラグビー選手として、ベテランの領域だ。そして、ベテランとはどうすべきかをわかりやすく書いてある。堀江翔太の言葉は、ベテランの境地にあるからだ。また常にリーダーシップを発揮してきた。それにしても、ぶつかり合いのあるラグビーで、いまだに第一線で戦っていることはすごい。
堀江翔太はいう。「リーダーシップグループのメンバーでもないベテランが異を唱えるというのは、よくよく考えてからにしないといけないと気づいたんです。しゃしゃり出て、いい結果になることはあまりないですよ。たとえ、その意見が正論だったとしても」
ふーむ。重要な言葉だ。第1戦で戦うが故に、心に刻んでいる言葉なんだね。
ラグビーは、一人一人の役割が違う。だから、「コミュニケーションをサボったらあかん」という。ラグビーは、関係性のスポーツ。コミュニケーションが頭と身体でできないといけない。瞬時のスポーツだからだ。「喋ることが、そのままキャプテンシーに繋がらない」キャプテンは喋らないといけないと思って、しゃべっていたが、伝わっていないことを感じたことがある。どう同じページを見ているかだ。そのことに、苦心しなければならない。ラグビーはチームプレーだからだ。
日本のラグビーが、2015年ワールドカップで南アフリカに勝った。それは、日本のラグビーにとって大きな転機だった。世界と互角に戦うことができるという証だった。この本を読むとその勝つためにどれだけの訓練と個人とチームの成長があったのか。読みながら、納得した。
そして、日本で2019年ワールドカップが行われ、ラグビーがこんなに面白いスポーツなのか知らしめた。2016年から、ジェイミージャパンになって、ジェイミー流ラグビーが徹底される。ジェイミージャパンの最初のキャプテンが堀江翔太。その後、リーチマイケルに受け継がれる。
ジェイミージャパンの特徴は「分業化」にあり、個人の仕事、役割が細かく決まっていて、それを全員が理解していた。日本ラグビーの日本代表の原点が「チヤホヤされたいよな」だという。シンプルで本音でいい。
スクラムは押すことではない。相手を丸くして崩すことだ。なるほど、私もフッカーのポジションだったので、よくわかる。どう相手の胸をあげるか。首の力をつけようと努力した時期があった。堀江翔太は、背中を鍛えることが大切だという。正しい姿勢が、スポーツの基本だね。
読みながら、なるほど。なるほどとストンと心に落ちる言葉が多かった。関西弁のしゃべりもいいなぁ。フラットなラグビーは、関西弁なのかな。