仏陀(ガウタマ・シッダールタ)の生涯を、タイトル通り物語風に著した一冊。入門書としては分かりやすい本だと思う。
ただ☆を一つ減らしたのは、本の焦点が少しぼやけているような気がするから。
仏陀の生涯を紹介するなら、いっそ自伝風にした方が読ませるものになっただろうけれど、中途半端に解説めいているのでか
...続きを読むえって読みづらいように思う。新書(しかもジュニア新書)ということでこういう形になったのだろうけれど、これなら手塚治虫の『ブッダ』の方が、仏陀という人物に興味を持たせるという意味では成功するだろう(もちろん手塚治虫と比較されたらどんな本もなかなか敵わないだろうけれど)。
手塚氏の『ブッダ』が氏の創作で、多くのオリジナルキャラクターが登場することを鑑みれば、
『ブッダ』→本書→より専門的な仏陀の紹介本へ
という道筋をたどるのがよろしいのではないか、という気がする。