誰がどのようにして統治するかを選択する方法として選挙を評価すべきであるとはどのようなことか、選挙の長所、短所、限界について考察がなされている。
ブレグジット、トランプ当選、イタリア国民投票の失敗を受け、近年では民主主義に対する危機感が強まっており、結局のところ選挙に意味はあるのか?と思いがちになる
...続きを読む。もちろん選挙は最大公約数的にしか機能せず、全てを解決するのは不可能ではあるが、紛争を平和裡に解決することに一役買っている。よって期待しすぎてもならなければ、絶望する必要もない。選挙とは「紙でできた石つぶて」なのである。
メモ:
p.71
投票日に起こることは、長期にわたる説得のプロセスの集大成でわるだけでなく、多くの場合、操作と抑圧のプロセスの集大成なのである。
p.122
多様な選好が存在する社会において、特定の決定を「合理的」として選びとることのできる唯一の方法は、結果に対する人々の不満を最小化することである。