近年の日本では年間50万組以上のカップルが結婚し、そのうちの96%が夫の姓を選んでいる。
そんな日本で、残りの4%として妻の姓を名乗ることを選択した社会学者が、自身の実体験を交え、日本の家族の歴史や選択的夫婦別姓について紐解いていくルポタージュ。
強制的夫婦同氏制を採用しているのはもはや日本だけら
...続きを読むしい。
現在の戸籍制度は1871年の戸籍法制定から続くもので、明治という新時代の「近代国家」の要請に従って創設された(戸主を起点とした上下関係をもつ)家制度の名残が、家制度がなくなった今でも続いているというのが驚き。
1947年の民法改正で家制度が廃止されたあと、地方での家族ぐるみの経営・生活様式から都市での職在分離・核家族化に移行したことで、家制度の思想が却って普及した(性別分業や男性支配が促進された?)というのは、理屈が分かるような分からないような。
対談も収録されていて、全体的に読みやすかった。