ボー・スヴェーンストレムの作品一覧

「ボー・スヴェーンストレム」の「犠牲者の犠牲者」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 犠牲者の犠牲者

    犠牲者の犠牲者

    小説・文芸

    3.6
    1巻1,430円 (税込)
    被害者全員、犯罪者。 ストックホルム近郊で発生した凄惨な連続殺人事件。 真の目的を知ったとき、あなたはきっと驚愕する―― スウェーデンNo.1ベストセラー! 国内ベストセラーリスト、6週連続トップ10入り! ヨーロッパで話題沸騰! 「刑事マルティン・ベックシリーズとミレニアムシリーズに根ざした強烈なデビュー作」De Telegraaf(オランダ) 「完全に予想外。手に汗握るスリラー」Aftonbladet(スウェーデン) 「誰が被害者で誰が加害者なのかを問いかける 残酷な物語」Nordjylland(デンマーク) ストックホルム郊外で磔にされた男の全裸体が見つかった。 残虐な拷問を受けた被害者は名うての凶悪犯罪者で、局部を切り取られたうえ、“生かされて”いた――。 過去のレイプ被害者の家族による報復か、犯罪組織の抗争か?  捜査を指揮する警部カールと匿名情報を得た記者アレクサンドラ、それぞれが事件に迫るなか、異なる手口で拷問された惨殺体が発見され……。 戦慄の北欧ミステリー!

ユーザーレビュー

  • 犠牲者の犠牲者

    Posted by ブクログ

     最初は翻訳が固くて読みにくいスタートとなったが、徐々にこなれてきたのと物語が面白すぎて、ページを繰る手が止まらなくなった。

     全体が三部構成となっている。第一部では、ろくでもない犯罪者たちが、世にも残酷な方法で殺されてゆく連続殺人事件という派手なスタート。追跡し始める捜査陣のヒーローと癖のありそうな男女の刑事、報道陣のヒロインとその経歴などの独特な個性を、通り一遍ではなく語ってゆく丁寧な章で、実に良い感じ。第二部は、事件を犯罪者側の一人称で語ったものなので、いきなり犯人がわかってしまうから、間違えても巻半ばを開いて飛ばし読みしてはいけない! そして第一部と第二部を合わせて、さらにひと捩じりした驚愕の結末に雪崩れ込むサプライズ終章。

     まずは人間関係のあれこれを仕込んでおいて、それを丁寧に解きほぐしてゆく、という手法で描かれた犯罪絵図。徹底しているのは、悪玉たちはいずれも情け容赦ない100%完璧な悪党であるということ。それが、タイトルにも絡む要素であり、本書を成り立たせている基本図式であるように思う。誰が読んでもこいつは生きててはいけないという悪玉が多いが、中には巻き込まれて泣きを見る半端者悪玉もいたりして、その者たちにとっては辛すぎる仕打ちかな、と思われる面もあり。司法側に捕まっておけばこれほどの刑に処されずに済んだろうにとの疑問は残る。

     勧善懲悪に見えて、どこかその隙間を縫う中庸のキャラも多いように思えるところは、この作品の空気抜きだろうか。それとも単純な人間だけを描きたくないという作者の趣向だろうか? 面白さや過激さを目指し過ぎたゆえに、リアリズムから遠のく感のある物語だから、そこに少しだけ現実らしさを求めて人間の個性という調味料を加えた感じもある。それもこれも北欧ミステリーのサービス精神と割り切れば、本書は全体でよくできたエンターテインメントであり、精巧な玩具であると言える。

     本書の主軸となる第二部、即ち殺人者による独白は、ここにページをかなり費やしているために第一部の疾走感にブレーキをかけ過ぎという中弛み感を覚えないでもない。でもそれが最終章のどんでん返しに生きてくるとも言えるので、全体像を読後に俯瞰するとそこも納得。読んでいるうちは第二部は少し辛いです。

     新人作家だが、元は新聞記者であったそうである。作家の勤めていた新聞社がそのまま、作中に実名で出てくるというのも一興であり遊び心であり作者にとってのノスタルジーなのか。

     最後に、本書を血なまぐさいだけの面白ミステリーに終わらせなかったのは、キャラクターたちが抱える背景として重要となる家族ドラマの一面なのだろう。この新人作家はシリーズ二作目、三作目と書き継いでいるらしく、そちらの家族ドラマとしての今後も捨て置けない気がする。ミステリーのアイディアのみならず、この辺りの微妙な人間描写にも相応に重心を置いている作風には大変好感が持てる。続編の翻訳が切に待たれる。

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    2022年01月28日
  • 犠牲者の犠牲者

    Posted by ブクログ

    凶悪犯罪者が次々と惨殺されるという連続殺人事件を、スウェーデン警察のカール警部と新聞記者アレクサンドラがそれぞれの立場から追いかける、というミステリ。
    三部構成で、第一部の終盤に連続殺人事件の犯人が突然明かされ、第二部は犯人を主人公にした倒叙モノになる。そして第三部は後日談。
    オチも含めて面白かったが、ストーリーの着地点を考えると続編とかシリーズ化は難しそうだ。シーモン警部補は反抗的だし、ラーシュ=エーリック鑑識官は偏屈だし、法医学者セシリアや新聞記者アレクサンドラは言わずもがな。
    凶悪犯罪者たちへ行われた拷問の数々は、対象が凶悪犯罪者だからなのか、個人的には読んでいて辛くはなかったが、カールやアレクサンドラの拗れた親子関係には心が痛んだ。

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    2026年03月30日
  • 犠牲者の犠牲者

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    猟奇的な犯罪に対して警察が地道に捜査活動を進めていく第一部の終盤で犯行の真相に迫っていよいよと思わせるが、第二部ではガラリと趣向が変わって犯人が語り手となり最後の犠牲者を追い始めるのだがあえなく返り討ちに遭ってしまう。そして第三部でとうとう真犯人が逮捕目前となるのだが、些細と思われていた証拠により全てがひっくり返る。読みづらい凝った構成こそが肝であることが最後に納得できる作品である。

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    2022年06月04日
  • 犠牲者の犠牲者

    Posted by ブクログ

    680ページに及ぶ長編ミステリー。のっけからおぞましい惨殺死体の場面が続いて、デリケートな人にはとても無理な展開。私も繊細だが(苦笑)それを上回るキャラクターの巧さに惹かれて読み続ける事ができた。半ば辺りで犯人が想像できたが、これがとんでもないミスリードを促す伏線とは‥最後まで不気味な味わいを残した。

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    2022年02月09日
  • 犠牲者の犠牲者

    Posted by ブクログ

    犯行現場が凄まじい様相で、こんなやり方ある?というくらい。第一部はそんな感じで痛いような場面と警察の捜査場面が交錯してハラハラし通し。フラグ立ちまくってるので二部に入る前にだいたいわかっちゃいますね。さまざまな心理描写を経て三部へ。えー、と思う一方でやっぱりね、だからか、など不思議な気分に包まれました。作者デビュー作、ということもあって若干荒削り。そして、こんなラストでほんとに大丈夫?と不安になったりも。しかし約700ページの大作、惹きつける力量は十分。これからも注目したい作家さんです。

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    2021年12月13日

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