キース・トーマスの作品一覧
「キース・トーマス」の「ダリア・ミッチェル博士の発見と異変 世界から数十億人が消えた日」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「キース・トーマス」の「ダリア・ミッチェル博士の発見と異変 世界から数十億人が消えた日」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
Posted by ブクログ
反転した表紙・背表紙に一瞬、我が目を疑う。あれ……不良品??ワクワクして即座に読む決意をした竹書房の逸品。
裏表紙を読むとどうやらSFらしい。竹書房さんのSFか、どんなんだろう?手にとるとすぐに特殊な組み方をした小説だとわかる。インタビューや手記、会議録や機密記録など、何かの事件を扱ったノンフィクション風に構成されているのだ。
内容としては、ファーストコンタクト+パンデミック+オカルト(UFO&陰謀論)をミステリーを感じさせる構造でミックスした感じ、というところ。古くからあるSFや最近のテクノロジー・オカルト情報などから多様な要素を盛り込んでおり、驚天動地のようなパンチのある展開はないものの、エンタメとして非常に手が込んでいると感じた。やはり、あくまでも架空のノンフィクションとして書かれているのは面白い。時系列がバラバラだが、うまく構成されていて違和感がなかった。謝辞と参考文献のこだわり具合には思わずニヤリとしてしまった。
Posted by ブクログ
これはもっと話題になっていいSF…!
背表紙まで鏡文字になっている凝った装丁や、本中本として展開される「ノンフィクション」の作り、各ページみっちみちの注釈…本の技巧的なところにワクワクして買ったのだけど、中身もとても面白かった!
深宇宙から届いた人工的な「パルス」、見えないはずのものが見える人々が同時多発した「上昇」とは何か?その目的は?というSFミステリはもとより、それを巡るアメリカ政府や組織の政治劇、宇宙の中でヒトはどう生きるのかというヒューマンドラマ。
インタビューと会議録の再編集によるドキュメンタリー手法が、事件をめぐるいろいろな面を無理なく展開して、テンポよくぐいぐい読ませる。
ふんわりとしかわからないところに賛否があるかもしれないけれど、他の面白さが圧倒的なので私はOK!
竹書房文庫SFは、装丁が独特で気になっていたのだけど、今回とても良かったのでこれから気にしていきたい。
Posted by ブクログ
この手の本、大好き。少しずれるかもしれないが、テッド・チャンの『地獄とは神の不在なり』とか、今この現実に何か1つ価値観をぐるりと変えてしまう出来事があったとして、その様子をドキュメンタリーチックに伝えるSF、モキュメンタリーの類。
なんでしょうね。めちゃくちゃドラマチック、というわけでも実はないのだが、しかし世界に起こる災厄、災害の類いというのは基本的にどれもそうで。自分が生きてきた中でも、あるいはこの2021年現在においても、大規模な災厄というものを経験してきていて、それにより価値観が揺さぶられたりはしてきたわけだが、じゃあその中で誰がヒーローだったのか、誰が悪かったのかみたいなわかりやすいドラマだとか、人類は不可逆的に破滅へと向かい始めたのかというと、実はそんなことはないわけで。大局を見れば、それでも地球は回っているとしか言いようがない。それでも生き残ったものはただただ前へ進む、としか言いようがない。この本の中で起きた異変は当然ながら現実に起きてきた出来事とは較べようにならないほどの大災厄ではあるわけだが、じゃあそれで世界はどうなったんだ、っていうところが、この本のポイントかなぁ、と思う。そういう意味でのリアリティを感じたし、とても楽しめた。
Posted by ブクログ
表紙に惹かれて読み始めた。
2023年、アメリカのいち天文学者、ダリア・ミッチェルは天体望遠鏡での観測中、謎のパルスコードを受け取った。そのコードはとても高度で名高い専門家にも解読はできず、地球外生命体が発しているとしか思えなかった。
そのコードに影響を受けた人たちを上昇者と呼び、終局とやらが訪れる頃には彼らは、地球は…パルスコードはなんだったのか…
本書を著したのは、ジャーナリストであるキース・トーマス。本書が著されたのは2028年。
キース・トーマスは世界がどのようにして終わっていったのかを調査し、記述した。
ダリア・ミッチェルの手記、当時アメリカ大統領であったヴァネッサ・バラードをはじめ、当時の政府関係者、科学者、ジャーナリスト、ダリアの恋人などへの取材記録…これらを通してキースが伝えたかった世界のこと、ダリアの物語とは。
本書はノンフィクション。…風に綴られたモキュメンタリーSFです。
いやに現実的で、設定が徹底されていて面白かった。
本書が発売されたのは2021年なので、当時手に取った人はちょっとドキドキしながら2023年を過ごしたのかなと思ったりした。
終末世界って感じはするし、恐ろしいことも起こっているんだけど、悲劇なのかと言われるとわからない。
本書では、ダリアがパルスコードを発見…異変が起きてから世界が崩壊するまで2ヶ月しか経っていない。またこの異変に対して予防することも抗うこともできない。このパルスコードを送った生命体は何をしようとしたのか、上昇者となったダリアが至った結論は無慈悲とも言える。
しかし残酷だ!と憤ることでもない…なんだろうこれは…
原作が出版されたのは2019年でコロナ前であったが、この異変は過程はコロナ禍と似ているところもあるが、結末や受け取り方は違うだろうなと思った。
ただしみじみとした。