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  • 極限の思想 バタイユ エコノミーと贈与
    値引きあり
    4.5
    1巻1,886円 (税込)
    大澤真幸・熊野純彦両氏の責任編集による新たな叢書、ついに刊行開始! 「自らの思考を極限までつき詰めた思想家」たちの、思想の根源に迫る決定版。21世紀のいま、この困難な時代を乗り越えるには、まさにこれらの極限にまで到達した思想こそ、参照に値するだろう。 本書は、バタイユの思想を、一貫して「エコノミー」という観点から読解する。「エコノミー」とは、単に経済をさす概念ではない。人間は計算も見返りもなく贈与することができる。このような消尽も含めた人間の全体性の考察こそがバタイユのエコノミー論だった。人間の意識が極限に至ることで、生産から消費へ、有用性から栄光へ、〈俗なるもの〉から〈聖なるもの〉へと転倒が生じるという、バタイユ思想の根幹を明らかにする従来にない鮮烈な論考!

ユーザーレビュー

  • 極限の思想 バタイユ エコノミーと贈与

    Posted by ブクログ

    端的に言うと、聖と俗の二元論の浅はかさを撃ち、思索のうちに沈静するのでなく、この世の在り方、認識の仕方を根本的に超えていこうとするバタイユ論。

    アイテムとしては、経済、死、戦争、エロティシズム、宗教を新たな文脈の元で捉え直している。

    ハイデガー、サルトル、カイヨワ、レヴィナス、モース、レヴィ=ストロースの論と対比させながら、バタイユの独自性を明らかにする。

    繰り返しがくどくなく、深みを増す言及の仕方で、人間の根源に迫った好著である。

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    2023年04月25日
  • 極限の思想 バタイユ エコノミーと贈与

    Posted by ブクログ

    読書会で取り扱い。他者への従属的関係であるエコノミーの外部で、「〈誰でもない者〉が〈何でもないもの〉を〈誰でもない他者〉に与える」という贈与の形式を満たす至高者のコミュニケーション。そこでは「振る舞い」や「精神状態」といった「主観性」が伝達される。しかし一方で、そうした贈与は「幸福の涙」という現象で説明される奇跡的なものであり、決して企図された行為によっては実現されえない。一方でそうした幸運の到来には、我々は世界や他者を必要とし、聖/俗・可能なもの/不可能なものといった区別は必ずしもなされない。聖なるものは、世界との親密性を取り戻した状態だが、そこでは明晰さが徹底的に突き詰められてもいるのだ。

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    2025年01月09日

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