高原到の作品一覧
「高原到」の「戦争論」「暴力論」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「高原到」の「戦争論」「暴力論」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
第三章で語られた戦後日本の位置づけ――冷戦体制下で軍事=戦争を外部にアウトソーシングし、経済的な「豊かさ」の中でまどろんでいた――はその通りだと思う。だがそれは、むしろ1990年代以降の人文社会科学での基本的な認識だろう。一国主義的で抽象的な「平和」をめぐる議論を書き込み直す必要がある、という問題意識にも共感できる。しかし、本書全体として見ると、「大きなこと」「意味があること」を主張したいがゆえの過剰な意味づけや、議論の単純化が気になった。
例えば著者は、太田洋子のテクストに触れながら、戦後日本は「復讐心」を抑圧してきたのではないか、とする。これは加害の自覚の不在の裏返しとも言えるが、一